市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):パナソニック、MTI、信越化、三井金

パナソニック <日足> 「株探」多機能チャートより
■パナソニック <6752>  990.1円  +35.1 円 (+3.7%)  本日終値
 パナソニック<6752>が大幅高。ここ有機EL関連が投資テーマとして改めて意識されており、「同社株にもその流れの中で思惑が錯綜している」(国内準大手証券)という。米アップルが来年秋ごろ発売予定の「iPhone7s」で有機ELディスプレーを採用する方針が伝わっており、来週13日から開催されるアップルの世界開発者会議(WWDC)では「新型MacBookが話題の中心だが、iPhone絡みでも材料が出る可能性が意識されているようだ」(同)という。「実際は今年発売のiPhone7の買い控えにつながる可能性もあるだけに有機ELパネル採用に絡む情報を積極的に出すとは思えない」(同)とも指摘されるが、iPhoneは現在、スマートフォンの世界販売の20%近くを占めているだけに、有機EL関連でも設備投資需要が先に立つ製造装置業界は色めき立っている。一方、韓国LG電子が、今年の有機ELテレビの販売台数を昨年比3倍の90万台強に大増産する計画が伝わっていることも期待感を膨らませている。パナソニックもこうした世界の潮流に乗り遅れないように、次世代パネルの有機ELを採用したテレビの世界展開を検討している。同社は既にテレビ用液晶パネルの生産を9月末で停止することを発表しており、「本格的な有機EL時代到来の予兆」(同)という。また、きょうはテスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOが「電気自動車(EV)に搭載する電池でパナソニックのみと取り組んでいることを明確にしたい」とツイッターで述べた、と報じられたことが後場一段高の材料に取り上げられている。

■エムティーアイ <9438>  694円  +22 円 (+3.3%)  本日終値
 エムティーアイ<9438>が続伸。同社は7日取引終了後に、メディパルホールディングス<7459>と医療のIT化などで資本業務提携したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。両社の提携は、医療業界でアプリ(医療ソフト)での保険請求が実現するなど医療のIT化が進んでいることが背景。エムティーアイの開発力とメディパルの物流力や販売網といった経営資源を有効活用することで、新たな付加価値サービスの提供を目指す。なお、今回の提携により、エムティーアイの株式を第三者割当による自己株式処分の方法でメディパルに115万株(議決権割合2.07%)を譲渡する。

■日本工営 <1954>  384円  +12 円 (+3.2%)  本日終値
 日本工営<1954>が後場上げ幅を拡大。午後2時30分ごろ、バングラデッシュのダッカ新空港建設にかかる調査業務を受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。同国の民間航空局から約16億円で受注し、将来の旅客需要に応じた新空港建設にかかる事業性の精査、適地選定および整備計画を作成するという。また、洪水・軟弱地盤等の災害対策や環境評価など日本で培った技術を織り込み、既存空港と新空港を同時に運用するデュアル・ハブ・オペレーションの整備検討も進めていく予定としている。

■信越化学工業 <4063>  6,367円  +169 円 (+2.7%)  本日終値
 信越化学工業<4063>が3日続伸。7日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエート」継続、目標株価を6950円から7100円へ引き上げた。円高やシリコンウエハーの価格下落など外部環境は厳しいものの、今回の環境悪化局面でも強い抵抗力が発揮されると指摘。17年3月期を通期連結営業利益で従来予想の2150億円(前期実績2085億2500万円)から2170億円へ引き上げている。

■三井金属 <5706>  199円  +5 円 (+2.6%)  本日終値
 三井金属鉱業<5706>が3日続伸。大和証券が同社についてリポートをリリース。17年3月期の同証券予想は経常利益で184億円(従来196億円)と見込み、会社計画経常利益140億円に関しては、機能材料事業における研究開発費の積み増し、銅箔事業の減益見通し、金属事業でも稼働率が上昇傾向にあるカセロネス鉱山で損失が更に拡大する想定である点など、やや保守的な部分が残ると現時点では考えると指摘。当面は年6円配当を意識した配当株としての側面が強くなると予想し、投資判断は「3」(中立)を継続。目標株価は190円から200円へ引き上げている。

■ニフコ <7988>  5,770円  +130 円 (+2.3%)  本日終値
 ニフコ<7988>が4日続伸。ドイツ証券は7日、同社株の投資判断の「バイ」を継続するとともに目標株価を6300円から6800円に引き上げた。自動車用ファスナーなどを手掛ける同社は、問題解決型提案営業により、長期にわたり車両1台当たり売上高を拡大。厳しい事業環境が続くなか、「収益力の強さが際立つ」と同証券は評価している。今後、投資負担がピークアウトし、継続的な原単位売上高拡大などから増益を達成する確度が高いとみている。

■日本ペHD <4612>  3,140円  +65 円 (+2.1%)  本日終値
 日本ペイントホールディングス<4612>が小幅続伸。国内大手証券では、売上高に占める中国事業の比率が48%と高く、中国事業は中長期的な成長を牽引するドライバーであると同時に、リスクでもあると指摘。足元では、堅調な不動産市場の需要を背景に、塗料需要は拡大傾向にあるものの、中国政府は既に追加的金融緩和に慎重姿勢を見せているため、不動産向け融資、同価格の持続的高成長は期待しがたいと解説。強気の投資判断を採るには、中国を中心とした新興国市場の塗料事業の持続的拡大の確度向上が必要とみて、レーティング「ニュートラル」を継続。目標株価は2400円から3080円に引き上げている。

■ゲオホールディングス <2681>  1,559円  +32 円 (+2.1%)  本日終値
 ゲオホールディングス<2681>3日ぶりに反発。7日の取引終了後に発表した5月のグループ月次売上高で、メディア系店舗の既存店売上高が前年同月比1.0%増と4カ月ぶりに前年を上回ったことが好感されている。なお、直営店合計では同0.1%減だった。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均