市場ニュース

戻る
 

【特集】小川英幸氏【流れ変わるか、政策期待の6月相場】(2) <相場観特集>

小川英幸氏(光世証券 本店コンサルティンググループ 課長代理)

 伊勢志摩サミットという重要な政治スケジュールを通過し、足もとは円安進行が強い味方となって日経平均株価は1万7000円大台回復を果たした。「セル・イン・メイ」が警戒された5月相場だったが、振り返れば大型連休中の急落から順調な立ち直りをみせ、3カ月連続となる月足陽線が濃厚となった。では、7月の参院選を前に政策期待が盛り上がりそうな6月相場はどうなるか。第一線で活躍する市場関係者に話を聞いた。

●「半導体製造設備関連や建設関連に注目」

小川英幸氏(光世証券 本店コンサルティンググループ 課長代理)

 6月は、2日にOPEC総会、14日と15日に米国FOMC、23日に英国の国民投票と、注目されるイベントが盛りだくさんだ。一方で、国内に目を向けると、消費増税の再延期はほぼ決まった模様であり、大型の補正予算も打たれるようである。

 国内の材料を見ると買いたいところではあるが、投資家としては先に述べた6月の海外でのイベントを前にリスクポジションを少しでも削りたい局面であり、日本株は素直に上昇しづらい状況にある。しかし、イベントの結果は見通せないが、ここはリスクを落とす局面と言うよりも、リスクオンすべき時だと見ている。

 英国の国民投票を控え、世界的にファンドの現金比率は増加しており、日本株に対するアンダーウエイトはアベノミクス始まって以来の水準となっている調査もある。そのような環境の下、日本において経済を重要視する姿勢を打ち出すというのは、日本株のウエイトを増加させる材料となるうえ、英国の国民投票でEU残留が決まれば、現金比率の高いファンドからの資金の流入も想定できる。つまり、6月のイベントが無難にこなされれば、株価のアップサイドはかなり大きい。

 そして、最近の調査によれば、英国の国民投票の調査では、残留派が多いことを考慮すると、6月相場で下げる場面があれば積極的に買っておきたいところだ。有望セクターとしては、IoTの発展を見込んで投資が増加している半導体製造設備関連や、補正予算に絡んで建設関連に注目している。

(聞き手・加藤智)

<プロフィール>(おがわ・ひでゆき)
1977年滋賀県生まれ、2000年滋賀大学経済学部卒。光世証券入社後、先物オプションや現物の自己売買部門を経て、2015年12月からコンサルティンググループに所属。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均