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【材料】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家キムさん:REIT(リート)のIPOは当選しやすいけど利益は少ない

日ヘルスケア <日足> 「株探」多機能チャートより

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家キムさん(ブログ「IPO初値予想ブログなら、キムさんのIPO投資日記」の著者)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年4月18日12時に執筆

REIT(リート)のIPO(新規上場)をご存知でしょうか?
ここ数年は毎年5銘柄~6銘柄のREITが新規上場をしています。

2014年に上場したREITは6銘柄となり、すべて公開価格を超えて初値が付いています。当時の市場は勢いがあったためREITの初値買いも多かったように思います。
高パフォーマンスを出したのは日本ヘルスケア投資法人<3308>で騰落率はプラス48.13%にもなります。これはREITの初値としては異常な数値だと思いますが、当時はヘルスケアREIT第1号となり人気化した事を覚えています。そもそも、勢いの原因は日銀のJ-REIT買入れによるものですが、ここ最近は不安定な状況になりつつあります。ちなみに2016年日銀によるJ-REIT購入予定は900億円と発表されています。

2015年に上場したREITは5銘柄で、うちヘルスケアREITが2銘柄上場しています。
ヘルスケア&メディカル投資法人<3455>は騰落率プラス54.55%
ジャパン・シニアリビング投資法人<3460>は騰落率マイナス10.53%

【その他REIT銘柄】
ケネディクス商業リート投資法人<3453>は騰落率プラス13.26%
サムティ・レジデンシャル投資法人<3459>は騰落率マイナス2.94%
いちごホテルリート投資法人<3463>は騰落率マイナス1.79%

そうです。勢いがだんだんとなくなり5銘柄中3銘柄が公開価格を割ってしまうという雲行きが怪しい雰囲気に突入しています。アベノミクス終焉の噂、原油高、円高もあり、市場の頭打ちが見え始めて買い意欲が無くなっているように思います。

そもそもREIT上場時の初値利益だけを見た場合、プラス5%~10%になれば成功だと思います。REITは通常の個別株みたいな感覚とは違い、長期運用投資をする買い手が多く、安定的に分配金を受け取りたい層が買うものです。
REITについて詳しく知りたいならば、「JAPAN-REIT.COM」を見ると銘柄ごとに細かくまとめてあるのでお勧めです。

では、2016年の上場REITはどうでしょうか?
2015年の連続公開価格割れの影響は今のところ感じられませんが、2月17日にラサールロジポート投資法人<3466>が上場し、騰落率はプラス5%となっています。
引き続き4月20日にスターアジア投資法人<3468>、6月02日にタカラレーベン・インフラ投資法人<9281>が上場を控えていますが、高パフォーマンスを現在の市場では期待しにくいでしょう。

日銀ゼロ金利、マイナス金利による影響でREITが買われREIT指数は高値圏にあります。
しかし、以前のような買い意欲は感じられません。そもそもREITの初値形成には吸収金額や利回り、保有物件やスポンサー等によるところも大きいですが、現状では市場全体に勢いがないのでしばらく高初値は厳しいのかもしれません。そういった勢いのない中では、かえってIPO当選確率が高くなると考えられます。

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執筆者名:キムさん
ブログ名:IPO初値予想ブログなら、キムさんのIPO投資日記

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 提供:フィスコ

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