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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「三角下放れ、需給悪化」

株式評論家 富田隆弥

◆ご承知の通り、新年度の4月相場は厳しいスタートになった。三角保ち合いにあった日経平均株価は、4月1日の594円安で明確に下放れると、5日は390円安で一目均衡表の「雲」も割り込み、6日は7日続落となり1万5612円まで沈んだ。

◆下落の要因は「円高」だが、売り買い拮抗していた三角保ち合いから下放れたことで、需給は「売り方(外国人)」に軍配が上がり、新年度相場に期待を抱いていた「買い方」が再び窮地に追い込まれたことを認識しておくべきだろう。PKOの年金買いにつられて個人が押し目買いに動き、信用買い残は2兆7000億円に増加。その評価損率が13.15%に悪化しており、追い証に伴う見切り売り懸念がしばらくつきまとう。

◆そして、為替(ドル円)は、厚い節だった週足遅行線の「雲」下限(111.41円)をとうとう割ってしまった。直近108円台まで円高が進行中だが、チャートで次の節を探ると14年10月、黒田バズーカ第二弾前の「105円台」まで見当たらず、しばらく円高圧力が続いてもおかしくない。

◆そして、日経平均は調整入りしたことで、2月安値1万4865円に対する二番底模索をまず想定する。だが、需給悪化と円高懸念を踏まえると、さらなる安値模索も否めない。1月の2933円幅下げに続き、2月は3040円幅下げており、3月の戻り高値1万7291円に3000円を当てはめると「1万4291円」となる。14年の10月安値1万4529円、同年4月に安値1万3885円があるだけに、1万4000円の予想は無謀ではない。また、週足では昨年6月高値を頭に「下げ三波」に入ったと見ることもでき、ここでも3000円幅が意識される。

◆チャートが下放れたことで、今回は下値メドを探ったが、日柄的には4月中旬が変化日で下値を付けやすい。また、今後は緊急景気対策や日銀会合も焦点になってくる。流れに従うのが基本であるから、日足が好転信号を見せるまで慎重姿勢を続けるべきだが、どこで好転信号を出すのかも今後はポイントになってこよう。
(4月7日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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