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【特集】西川雅博氏【円高一時107円台、外為・株式市場の行方を探る】(2) <相場観特集>

西川雅博氏(光世証券 執行役員)

 8日の東京株式市場は、外国為替市場で円高進行がひとまず一服状態となったことが好感され、幅広い業種に買い戻しが入り日経平均株価は小幅ながら続伸した。ただ、7日の海外為替市場では、1ドル=107円台後半まで円が急騰するなど、今後も円高波乱に翻弄される地合いが続きそうだ。そこで、今後の外国為替相場の動向と、その影響が予想される株式市場の先行きについて、第一線の市場関係者に聞いた。

●「一方通行な動きにはそろそろ歯止め」

西川雅博氏(光世証券 執行役員)

 新年度入りと共に円高の流れが加速している。期待インフレ率の低下で日本の実質金利が下げにくいなか、景況感の悪化から米国の利上げ見通しが後退していることが大きな要因だ。さらに、昨年来の貿易収支改善傾向で円高に振れやすいという背景や、通貨安政策に対する批判もあり、本格的なドル円相場の反転予測は立てにくい。

 当面、株式市場は為替相場に対し神経質な動きにならざるを得ないだろう。ただし、一方通行になりがちな円高と株安が連動する流れは、政策期待や決算発表を控えてそろそろ歯止めがかかると見ている。世界景気の勢いに陰りが出ているとはいえ、そこまで悲観することはないだろう。

 他方、主力銘柄が低迷するなか、東証マザーズ指数は、4月8日に1049ポイントまで上昇し、昨年6月の高値を更新して活況を呈している。マイナス金利の効果が国内投資家中心の新興株市場に好影響を及ぼしているのではないか。

 また、新興株や小型株の旺盛な物色は、日本経済に対する成長期待が根強いことを示している。景気対策としての成長戦略や規制緩和の直接的な恩恵も大きい。グローバル企業や金融株など主力株が買われにくいなか、小型株物色は長期にわたり折に触れ継続することになりそうだ。

 テーマとしてもバイオ、IoT、スマホ向けアプリ関連、自動運転、保育関連など広範囲にわたる。

 セクター別では円高抵抗力と政策期待から建設や不動産。これに加えて健康志向に絡む銘柄やオリンピックに絡んでスポーツ関連銘柄に注目している。

(聞き手・加藤智)

<プロフィール>(にしかわ・まさひろ)
1960年奈良県生まれ。1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当。


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