【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):五洋建、パナソニック、スズキ、すかいらーく
五洋建 <日足> 「株探」多機能チャートより
野村証券の建設セクターのリポートでは、政府は15年度補正予算や16年度当初予算の前倒し執行を決め、景気のてこ入れを図っていると指摘。前倒し執行は、17年3月期上期の公共工事発注が増加する可能性を高めることや16年度補正などによる景気対策の実施への期待を高めることで、建設セクターに対し業績・株価両面でポジティブな影響と解説。「現状では大手ゼネコンを選好するスタンスに変化はない」としながらも、景気対策によって公共事業費が増加した場合は、土木比率の高い海上工事を手掛ける五洋建設<1893>などのマリコン、前田建設工業<1824>などの準大手ゼネコン、道路舗装やショーボンドホールディングス<1414>のような維持補修を手掛ける官需専門工事会社にとって業績面での恩恵が大きいとの見解を示している。
■パナソニック <6752> 879.2円 +8.9 円 (+1.0%) 本日終値
パナソニック<6752>が反発。同社株は3月31日に開催した16年度事業方針説明会で、これまで中期目標として掲げていた18年度連結売上高10兆円目標を8兆8000億円に引き下げたことで、成長期待が剥落し、株価は大きく下値を模索する展開となっていた。しかし、「時価は売られ過ぎとみた買いが入り始めた」(国内中堅証券)という。株価は前日まで4日続落し、この間に16%程度の下げをみせたが、PER11倍台は割安感も浮上している。経営計画に対し、「成長重視の経営から利益重視の現実性のある経営スタンスに切り替えたことはプラスに評価できる」(同)という声も聞かれる。
■スズキ <7269> 2,910円 +15 円 (+0.5%) 本日終値
スズキ<7269>が堅調。6日付で岡三証券がレーティングを新規「強気」、目標株価を3600円に設定した。同社が主戦場とするインドは、新興国各国が概して低調ななかにあって、数少ない“好調市場”とし、インド4輪と国内軽自動車に収益のほとんどを依存する同社にとって、グローバルにみた市場環境は良好と評価。16年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の1950億円(15年3月期1794億2400万円)に対して1970億円、17年3月期は2180円と予想している。
■愛知製鋼 <5482> 400円 +2 円 (+0.5%) 本日終値
愛知製鋼<5482>が小高い。SMBC日興証券はリポートで、同社で1月に発生した爆発事故による影響がほぼみえてきたことで、16年3月期の業績予想を会社計画並みに下方修正。17年3月~18年3月期の利益予想は変更しないものの、4月以降の生産回復に対してリスクが残っていることを勘案し、目標株価は500円から410円へ引き下げている。投資評価「3」(アンダーパフォーム)は継続している。今日はこのほか、欧州大手証券が投資判断「ニュートラル」を継続し、目標株価を530円から460円へ引き下げている。
■日本郵船 <9101> 203円 +1 円 (+0.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>などをはじめ海運株が堅調。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前日6日時点で9日続伸と戻り歩調を加速させており、13ポイント高で昨年12月14日以来となる500を回復した。中国の景気減速懸念もひと頃より不安心理が後退しており、そのなか、ばら積み船市況の回復歩調は海運セクターにも追い風となっている。
■大和工業 <5444> 2,366円 -260 円 (-9.9%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
大和工業<5444>が急落。クレディ・スイス証券では、15年度第3四半期まで約2年間続いたメタルスプレッドの拡大は、鉄スクラップ価格の反転により今後縮小に向かう可能性が高いと指摘。中東合弁事業では、オイル価格下落に伴う鉄鋼需要低迷などにより投資損失リスクが高まっているとみて、16年3月期営業利益予想を110億円から105億円に、17年3月期営業利益予想を140億円から75億円に引き下げ。レーティングを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に、目標株価を4100円から2500円に引き下げている。
■すかいらーく <3197> 1,372円 -124 円 (-8.3%) 本日終値 東証1部 下落率4位
6日、すかいらーく <3197> が16年3月の売上状況を発表。3月の既存店売上高がグループ合計で前年同月比2.0%減、客数が同2.7%減となったことが売り材料。高単価商品販売は好調で客単価はプラスを確保したものの、日曜日の日数が昨年よりも1日少なかったことや、気温の低い日が続いたことなどが客数に影響した。
■技研製作所 <6289> 1,769円 -148 円 (-7.7%) 本日終値
技研製作所<6289>が反落。同社は6日の取引終了後、16年8月期第2四半期累計(15年9月~16年2月)の連結決算を発表。売上高は115億600万円(前年同期比28.0%増)、営業利益は26億円(同58.8%増)、純利益は18億4900万円(同57.6%増)と大幅な増収増益となったが、5日は決算への期待感から上昇していたことから目先的な売りに押されている。圧入工事事業では南海トラフ地震に備える高知県の沿岸部で「インプラント堤防」の整備が延伸するなど、好調に推移している。通期業績は売上高212億円(前期比12.6%増)、営業利益38億3000万円(同18.5%増)、純利益25億円(同15.9%増)と従来見通しを据え置いた。
■NTN <6472> 300円 -16 円 (-5.1%) 本日終値 東証1部 下落率9位
NTN<6472>が急反落。大和証券は6日、同社株の目標株価を600円から280円に引き下げた。レーティングは「3(中立)」を継続した。為替の想定レートを円高に見直したことで、業績予想を減額修正した。目標株価は17年3月期予想PBR0.6倍程度の水準に設定している。 また、ジェイテクト<6473>も年初来安値を更新。同証券は、レーティング「3」を継続するとともに目標株価を1500円から1200円に見直した。
●ストップ高銘柄
テイツー <7610> 100円 +30 円 (+42.9%) ストップ高 本日終値
NCホールディングス <6236> 1,476円 +300 円 (+25.5%) ストップ高 本日終値
そーせいグループ <4565> 17,180円 +3,000 円 (+21.2%) ストップ高 本日終値
アカツキ <3932> 3,260円 +500 円 (+18.1%) ストップ高 本日終値
以上、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース