【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):新日鉄住金、エーザイ、トヨタ、三井住友FG
新日鉄住金 <日足> 「株探」多機能チャートより
米系大手証券の鉄鋼セクターのリポートでは、経済産業省が5日、16年4~6月期の全国粗鋼生産見通しを前年同期比2.4%減の2524万トンと発表した事を受け、4~6月期の新日鉄住金<5401>とJFEホールディングス<5411>の輸出市況は、アジアの鋼材市況の上昇を受けて前四半期比で多少改善する可能性があると指摘。粗鋼生産の出だしは鈍く、市場の関心は7~9月期での業績改善の確度に移るとみて、仮に足もとの水準でアジアの鋼材市況が推移すれば、7~9月期は前四半期比で輸出市況にはっきりとした改善が見られると予想。グローバルでのセクター判断を「ネガティブ」から「ニュートラル」へと引き上げ。中国の不動産市場の動向によっては、鋼材需要、市況が同証券予想比で上振れる可能性もあると解説している。
■住友林業 <1911> 1,212円 +14 円 (+1.2%) 本日終値
住友林業<1911>が実に7営業日ぶりに反発。大和証券は、16年3月期の経常利益を400億円(前の期比10%増)と予想、国内事業の回復は鈍いものの、海外事業の経常利益は125億円(同2.0倍)と業績を牽引するとリポートで紹介。17年3月期は国内の駆け込み需要と海外事業拡大で15%経常増益と予想している。ただ、17年4月からの消費増税を前提とした場合、戸建住宅事業のウエイトの高い同社は、18年3月期に経常減益となる公算が大きいとみて、投資判断は「3」(中立)を継続。目標株価は1650円から1400円へ引き下げている。
■トーセイ <8923> 777円 +6 円 (+0.8%) 本日終値
トーセイ<8923>が反発。同社は5日引け後、16年11月期第1四半期(15年12月~16年2月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比17.4%増の135億2700万円、営業利益は同74.5%増の41億2700万円となり、好感されているようだ。不動産流動化事業で収益オフィスビルや賃貸マンションなどの一棟販売を順調に進捗させるとともに、不動産開発事業では、商業施設および戸建住宅の販売・開発を推進した。また、将来の収益の源泉となる収益不動産や開発用地の取得を積極的に進めた。据え置かれた通期の連結営業利益は、前期比9.7%増の75億6300万円の見通しで、進捗率は54.6%に達していることも、株価上昇を後押ししている。
■サンエー <2659> 5,180円 +40 円 (+0.8%) 本日終値
サンエー<2659>が急反発。同社は昨日引け後、16年2月期連結業績と17年2月期業績見通しを発表。16年2月期は営業収益が前の期比5.6%増の1738億2000万円、営業利益は同9.8%増の141億2100万円に、17年2月期は営業収益が前期比2.2%増の1776億8300万円、営業利益は同0.3%増の141億6800万円を見込んでいる。会社側では今期見通しとして、ローソン沖縄と連携し、地域食材を使った商品の共同開発、新商品の提案、売れ筋商品の情報交換を行い商品力の強化を図るとしており、4月に「ハンビータウン」(沖縄県中頭郡北谷町)を改装し、ベビー用品専門店の「ベビー館」及び「無印良品」を出店、12月に「(仮称)V21食品館嶺井店」(沖縄県南城市)を出店する予定と発表している。
■エーザイ <4523> 6,416円 +25 円 (+0.4%) 本日終値
エーザイ<4523>が小動き。クレディ・スイス証券では、フェーズ2段階で開発中の新規アルツハイマー型認知症治療薬「BAN2401」の650例の中間解析速報が、早ければ4月中にリリースされる可能性があると指摘。「当面はアルツハイマー治療薬の開発進展待ち」と位置づけ、レーティングを「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」に引き上げ。目標株価7000円は継続している。
■トヨタ自動車 <7203> 5,457円 +18 円 (+0.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が軒並み堅調、押し目買いがやや優勢となっている。外国為替市場で円高が一段と加速、欧米市場でドルは一時109円90銭台までドル安・円高が進行したことで、輸出株セクターに逆風が強まっている。ただ、為替感応度の高い自動車株はここ売りのターゲットとなっており、下げ過ぎ是正の買いが入った。ただ、17年3月期の自動車各社の業績は輸出採算の悪化から総じて減益見通しとなる可能性があり、押し目に買い向かう動きも限定的となっている。
■三井住友FG <8316> 3,173円 +7 円 (+0.2%) 本日終値
三井住友フィナンシャルグループ<8316>が小動き。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、「マイナス金利の追加拡大はみていない」としながらも、全体的に金利水準の低下が各資産に浸透するまで、利ザヤ縮小が続きそうと指摘。海外貸出もドル調達コストの増加によりペースが落ちるとみて、金融商品販売や証券子会社の強化など役務取引等収益の拡大が収益低迷対策として重要と解説。レーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」に、目標株価を5900円から4700円に引き下げている。
■ジェイアイエヌ <3046> 3,605円 -310 円 (-7.9%) 本日終値 東証1部 下落率5位
ジェイアイエヌ<3046>が5日続落、年初来安値を更新した。同社は5日の取引終了後、3月度の月次売上高を発表、既存店では前年同月比3.8%増と1月度の同11.8%増や2月度の同8.8%増に比べて伸び率が鈍化していることが嫌気されているようだ。3月18日に発売した「新Air frame(エア・フレーム)」が好調に推移しているが、天候不順などの影響により「JINS 花粉 CUT」が厳しい状況となっている。
■トリドール <3397> 2,026円 -115 円 (-5.4%) 本日終値
トリドール<3397>が続落。5日に発表した3月度の月次売上高で、既存店売上高が全業態で前年同月比3.2%増、丸亀製麺で同3.5%増となり、どちらも20カ月連続で前年実績を上回ったが、足もと堅調は織り込み済みとの見方が強く、株価押し上げには至っていない。丸亀製麺で前月に続き「だし玉肉づつみうどん」を販売するとともに、全国テレビCMを展開したことが寄与した。なお、全店売上高は同3.7%増だった。
株探ニュース