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【特集】ビューティ花壇 Research Memo(7):大幅な損益改善により黒字転換した第2四半期業績


■業績動向

(2) 2016年6月期第2四半期累計期間(上期)の業績

ビューティ花壇<3041>の2016年6月期第2四半期累計期間(以下、上期)の業績は、売上高が前年同期比8.7%減の2,862百万円、営業利益が41百万円(前年同期は13百万円の損失)、経常利益が45百万円(前年同期は20百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が21百万円(前年同期は41百万円の損失)と減収ながら大幅な損益改善により黒字転換となった。

売上高では、「ブライダル装花事業」が好調に推移した以外は、概ねすべての事業が減収となった。特に「土木・建設事業」からの撤退による影響が大きかったことに加えて、主力の「生花祭壇事業」も受注単価に下落等により減収となった。また、「生花卸売事業」も子会社マイ・サクセスとのシナジー創出が顕在化するに至らず減収となった。

一方、損益面では、「生花祭壇事業」における労務費率の改善が原価低減に寄与したことや、採算性の低い「土木・建設事業」からの徹底等により大幅な損益改善を実現し、黒字転換を果たした。

財務面では、総資産及び自己資本ともに前期末から大きな変動はなく、自己資本比率も16.2%(前期末は16.0%)とほぼ横ばいで推移した。また、有利子負債は長短合わせて3,147百万円(前期末比7.5%増)に増加したが、財務基盤の安定性を確保すべく、長期へのシフトを進めたことにより借入金の長短比率は80.4%(前期末は49.2%)に上昇した。流動比率も131.9%(前期末は112.7%)の水準を確保している。

事業別の業績は以下のとおりである。

「生花祭壇事業」は、売上高が前年同期比2.9%減の1,493百万円、セグメント利益が同98.3%増の129百万円であった。葬儀業全体の売上単価がほぼ横ばいで推移するなかで、加工物流センターを活かした低価格商品の推進等により、生花祭壇(単体)の施行件数が8,847件(前年同期比10.0%増)に大きく拡大したものの、平均単価が62,559円(前年同期比9.2%減)に低下したことから減収となった。特に、葬儀の小規模化や生花祭壇価格の下落により、関東エリアにおける受注単価は59,306円(前年同期比10.7%減)と下落傾向が顕著となっている。もっとも、関東エリアを中心に施行件数が拡大していることは、同社の低価格戦略が奏功していることの証として捉えることができる。また、損益面では、パート社員や加工物流センターを活用した原価低減により大幅な損益改善を実現した。

「生花卸売事業」は、売上高が前年同期比6.8%減の837百万円、セグメント利益が同8.4%減の58百万円であった。前年同期に実施していた同業他社(花束加工会社)との共同仕入れが終了したことに加えて、子会社マイ・サクセスとのシナジー創出の兆しが一部で出始めたものの、業績に貢献するほどの顕在化には至らなかった。

「ブライダル事業」は、売上高が前年同期比9.6%増の270百万円、セグメント利益が同17.8%増の45百万円であった。店舗併設の新規拠点(江東区豊洲店、福岡市姪浜店)や提携式場(銀座、葉山)の稼働など、これまでの大都市圏を中心とした営業施策が奏功したことで好調に推移した。

「その他の事業」は、売上高が前年同期比1.1%増の261百万円、セグメント損失が3百万円(前年同期は18百万円の利益)であった。(株)キャリアライフサポートを新たに連結化したことから僅かに増収となったものの、各事業ともに低調に推移した。特に(株)SHFによる葬儀業務支援システム販売や、(株)セレモニーサービスによる冠婚葬祭に関する企画並びにコンサルタント業務など葬儀関連事業が落ち込んだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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