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【市況】(香港)恒安国際は急落、業績伸び鈍化を嫌気


62.50HKドル(-4.36%)=14:34現在

紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が急落。業績の伸び鈍化が嫌気されているもようだ。同社は22日、2015年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比3.4%増の40億5086万香港ドル(約586億円、希薄化後EPS:3.308香港ドル)にとどまったと報告した。売上高は2.6%増の244億5046万香港ドル。1株当たり1.15香港ドルの期末配当を実施する方針だ。
為替差損が利幅を圧迫する。原材料価格の下落で粗利益率は小幅に上昇(46.1→47.6%)したものの、為替差損が3倍増の4億2923万香港ドルに膨らみ、最終利益の伸びを抑えた。市場競争の激化や国内景気の減速も足かせ。一部の卸し先で在庫が積み上がるなか、売り上げが伸び悩んだ。
部門別では、ティッシュ(トイレットペーパー含む)、紙おむつの両部門で売上高が縮小。それぞれ0.5%減の108億19万香港ドル、1.6%減の30億4473万香港ドルに縮小した。生理用ナプキンも3.4%増の76億8339万香港ドルと、1ケタ台の伸びにとどまっている。ただ、部門の粗利益率はいずれも上昇。化学品など原材料の値下がりを受け、ティッシュで34.5→35.6%、紙おむつで45.3→49.3%、生理用ナプキンで68.5→72.6%に上向いた。
業績が伸び悩むなか、同社は為替リスクの低減に着手した。香港、マカオで保有する人民元資産を大幅に減らしている。このため、16年は為替差損が縮小する見通しと説明した。

■企業紹介
恒安国際はティッシュペーパー「心相印(Hearttex)」、生理用ナプキン「安楽(Anle)」「安爾楽(Anerle)」、乳児・成人用紙おむつ「安児楽(Anerle)」「安而康(ElderJoy)」などを生産する。生産能力を増強中。重慶の新工場が12年1月に稼働。華東エリアの需要拡大を見越し、安徽省蕪湖でも増産計画に着手した。15年末の年産能力は102万トン。16年下期~17年上期に114万トンまで拡大する。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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