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【市況】米国株式市場見通し:利上げ観測の後退受け、株価は上昇局面


25(金)は聖金曜日で株式相場は休場。今週のFOMC発表を受けて、年内の利上げは2回と予想する向きが優勢だ。欧州や日本がマイナス金利導入する中で、連銀だけが金融引き締めを強硬することは難しい状況であることや、インフレ見通しの先行きが不透明となっていることが要因だ。為替相場でドル安も進行しており、株式相場にとって利上げ観測の後退は引き続き追い風となりそうだ。

21日にアップルが製品発表イベントを予定している。事前の予想では画面サイズ4インチ(iPhone 5シリーズと同等)の新型iPhoneや、iPadなどの発表が予想されている。iPhoneは一部に成長鈍化や頭打ちが懸念されているが、新型iPhoneの投入によって、中国やインドなどの新興国市場ではiPhone販売台数の押し上げにつながるかどうかが注目点となるだろう。

その他の個別企業では、アパレル用品のナイキ(22日)、クルーズ客船運営会社のカーニバル・コーポレーション(24日)、ビデオゲーム小売のゲームストップ(24日)などの決算発表が予定されている。カーニバル・コーポレーションは原油安を背景とした燃料価格の下落が業績に寄与すると予想されるが、売上高の多くは米国以外の地域である為、ドル高がどれくらい売上高や利益率を押し下げているかが焦点となるだろう。

経済指標では、2月新築住宅販売(23日)、2月耐久財・製造業受注(24日)、10-12月期GDP確報値(25日)などの発表が予定されている。先日発表された2月住宅建設許可件数は昨年9月以来の高水準となり、春季の住宅販売シーズンに向けた明るい兆しと考えられる。春先は季節的に住宅販売が伸びる時期でもあり、新築住宅販売への期待は高い。

中国の保険会社である安邦保険集団などがスターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドに対して買収提案を行い、マリオット・インターナショナルと合意していた買収計画が振り出しに戻った。安邦保険集団は国連総会で米大統領が宿泊するNYの老舗高級ホテル「ウォルドルフ・アストリア」を14年に買収しているが、中国企業によるホテル買収は安全保障に影響を与えるとの懸念から対米外国投資委員会(CFIUS)による差し止め勧告が出される可能性もある。今後の動向に注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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