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2016年03月18日20時01分

【経済】一尾仁司の「虎視眈々」:ドル安再燃で脆さ

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

〇2日間で7年ぶりのドル大幅安

昨日の前場株価は「為替離れ」ができたかに見えたが、後場、円高ドル安が進行するとともに崩れた。昨晩9時頃、ドル円が110円台に突っ込むと日経平均先物は瞬間、16435円(円建て)まで突っ込んだが、米国市場での終値はドル円が111.40円近辺、日経平均先物16700円。為替が日銀レートチェックの噂だけで乱高下するなど、かなり荒っぽい動きだが、印象ではSQ値(日経平均16586円)近辺が下値ゾーンとして意識された可能性がある。円買い+日経平均先物売りの仕掛け的な動きもあろうが、それほど大規模に行われているとは見れない。3/8時点のIMM通貨先物建玉で円ロングは6万4333枚(前週比+4708枚)に膨らんでおり、仕掛け的な動きはドル売り円買いの回転を狙った可能性が高いと思われる。

ドル安は、主要10通貨に対し、16日1.1%安、17日も1.1%安の連続大幅安。下げ幅は09年以来、7年ぶりの水準。「FOMCショック」と呼ばれ始めているが、債券相場がそれほど動いている訳ではない。10年物米国債利回りは1bp(0.01%)低下の1.90%(前日は6bp低下)。FOMCで示された政策当局者の16年末政策金利予想中央値が、12月時点の1.375%から0.875%に大幅低下したことが、積み上がってきたドル・ロングのポジション崩壊を招いたとの受け止め方が大勢だ。債券を空売りしていた(金利上昇を見込んでいた)債券専門ファンドにとっては、「史上最悪の四半期に直面」と伝えられ、債券相場自体は流動性が低下しており、投機的マネーは流動性の高い為替市場を主戦場にしている可能性がある。

ドル安は、ドル高シナリオ下で進行してきた資源デフレの巻き戻しを招く。WTI先物は前日比1.74ドル高の40.20ドル/バレルと、12/3以来の40ドル台を回復した。原油需給など、原油そのものの材料性は低く、荒っぽい動きが続くと見られる。米株は商品市況高に伴うエネルギー・素材関連が押し上げ、NYダウは年初来プラス転換の17481.49ドル。金融株や業績低調銘柄の下落を吸収した。

昨日発表の東証主体別売買動向3月第2週で、海外勢の売り越し額は過去最大となる1兆1932億円に膨らんだ。ただし、証券自己が8768億円の買い越しに見合うもので、SQに絡んで、何らかの大規模なポジション手仕舞いが行われたものと考えられる。単純に引き算すれば3100億円台の売り圧力と見られ、1-2月の「上旬売り」圧力は大幅に後退していると受け止められる。ちなみに、証券自己の買いが影響しているのか、キャノン株の空売り残は3/7時点の3587万株から3/16時点で659万株に激減している。原油高で、オイルマネーの売り圧迫は一段と薄らごう。

ドル安は国内政策では止められない恐れがあり、後退しているが防衛ラインと見られる110円を守れるかどうかも不透明だが、やや遅れて日本株にも資源安修正の作用が働こう。国内景気対策を粛々と進めることで不安感を軽減し、比較的短期的なポジション調整相場と見たい。

以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(3/18号)

《FA》

 提供:フィスコ

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