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【通貨】欧米為替見通し:週明け以降もドル売り継続か、節目110円割れの可能性も


今晩から来週にかけての欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開となりそうだ。米利上げペースの鈍化を見込んだドル売りは目先も続く見通しで、心理的節目の110円を割り込む可能性もあろう。

米連邦準備制度理事会(FRB)は15-16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとともに、今後の利上げペース鈍化の姿勢を示した。これ受けた足元のドル売りは週明け以降も続きそうだ。今晩予定されるダドリーNY連銀総裁(22時)、ローゼングレン・ボストン連銀総裁(24時)、ブラード・セントルイス連銀総裁(日本時間19日3時)など米金融当局者による講演などでは、特に「タカ派」のブラード氏が弱気な発言だとドル売りが強まりそうだ。

前日の海外市場では米株高と原油価格の回復など市場センチメントはやや改善したものの、ドル・円は2014年10月以来、1年4カ月ぶりの安値水準まで下落。このため、ある邦銀関係者は「ドルの地合いは相当悪い」と指摘する。ドル・円は、週明け21日は東京株式市場が春分の日の振り替え休日で休場となるが、取引が少ない分、ドル売りに傾いた場合には110円を割り込むかもしれない。一部の市場関係者は建国記念日の2月11日のドル急落を想起し、警戒感を強めている。

本邦機関投資家による3月期末決算に向けたリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)はピークを超えたもようで円買いは週明け以降弱まるかもしれないが、ドル売り基調を反転させる材料にはなりにくいだろう。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 カナダ・2月消費者物価指数(前年比予想:+1.5%、1月:+2.0%)
・21:30 カナダ・1月小売売上高(前月比予想:+0.6%、12月:-2.2%)
・22:00 ダドリーNY連銀総裁あいさつ(金融機関の監督に関する会議)
・23:00 米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:92.2、2月:91.7)
・24:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁パネル討論参加
・03:00 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(フランクフルト、金融政策)
・欧州首脳会議(最終日)

《SY》

 提供:フィスコ

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