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【特集】ダイキアクシス Research Memo(8):量産型小形風力発電機を2016年2月に発売


■中期経営計画

(4)小形風力発電機関連事業

2012年4月に(株)シルフィードを子会社化し、小形風力発電機関連事業に参入した。2014年10月から福島県で小形風力発電機のプロトタイプをフィールドテストしており、同年年末の展示会に出展した。量産対応の製品「VAS-3.0」が開発され、2016年2月より発売された。製品は、長さ2mの板状の羽を回す構造で、3枚羽・垂直軸型を採用しており、全方向からの風で発電できる。最も効率よく発電でいる風速は11m/秒となる。小形風力発電機は、一般的に風速12~14m/秒以上では風車の回転を停止させる必要があり、これらの制御のためのコスト増や、日本独特の風況の変化による不安定な発電量が課題であった。ダイキアクシス<4245>製品は、低風速域での良好な起動性、中風速域で高いエネルギー変換効率を実現し、高風速域でも風車を停止することなく発電を続けることができるという特長を持つ。特許技術を用いた独自のブレード形状により、強風でも過剰な回転を抑制し、安定的な発電を可能とする。落雷や台風などの自然災害に強く、生活圏に影響のないレベルにまで騒音や振動を抑えた。太陽光発電と比べると、発電効率が良く、冬場でも発電量が落ちないことが強みとなる。

同社の製品は、系統連携による売電ではなく、自家向け発電用として公共施設や商業施設の補助電源や独立電源として自治体や企業に売り込む。ビニールハウスの化石燃料代替エネルギーとして農業でも導入されている。再生可能エネルギーを利用したイチゴの栽培では、消費者がそれを評価してプレミアム価格が付く。蓄電池を利用する独立型電源となるため、離島や山岳地のトイレ施設、計測所、観測所などに向く。また浄化槽のポンプ送風機電源、バイオディーゼル燃料装置電源にもなることから、同社の環境機器関連事業とのシナジーが発揮できる。2016年発売初年度は、50基の出荷を目指す。本体価格は350万円、それにオプション及び工事費が別途かかる。将来は、海外での展開も視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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