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【市況】先行きの追加緩和観測高まり、底堅さは意識される/オープニングコメント


 16日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。15日の米国市場は、2月小売売上高が予想ほど悪化しなかったことや、3月NY連銀製造業景況指数の大幅改善が好感されたが、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とイエレンFRB議長の会見を16日に控え、上値も限られた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の16835円となり、これにさや寄せする格好から、日経平均は節目の17000円を挟んでの展開になりそうである。

 また、原油相場の不安定な値動きにも警戒感が高まっている。原油相場は前週末に1バレル39ドル台を回復する場面をみせていたが、15日は「生産水準を維持する協定にイランが参加しない可能性」が伝わり、36ドル台前半まで下げている。週末には産油国の会合が開かれる予定であるが、会合後の失望する流れが警戒されそうであり、これが上値の重しになろう。

 一方で、日銀の金融政策決定会合後の黒田総裁の会見では、マイナス金利の効果が波及するまでには「ある程度期間がかかる」とする一方で、必要に応じて適切な金融政策を取る姿勢を明確にしている。また、経済・金融に関する情勢判断は、弱い評価が目立つ内容だったことから、先行きの追加緩和観測は高まっている。4月の追加緩和の可能性も高まるなか、押し目買い意欲は強そうだ。

 FOMCの結果発表とイエレンFRB議長の会見を控え、大きなトレンドは出難いと考えられるが、17000円近辺での底堅さが意識されよう。物色の流れとしては、昨日同様、個人主体による中小型株への資金シフトが強まることになりそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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