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【経済】NYの視点:ほとんどの市場参加者は6月の米追加利上げを予想


米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を16日に控えて最後の重要指標となる小売売上高の2月分は前月比0.1%減と、予想外の2ヶ月連続のマイナスとなった。合計で0.5%の減少。ほぼ1年ぶりの2ヶ月連続の減少となった。変動の激しい自動車を除いた小売売上高も前月比0.1%減でやはり予想外に昨年9月以来となる2ヶ月連続の減少となった。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、ガソリン、食品を除いたコントロールグループは前月比横ばいと、予想の0.2%増を下回った。1月分も0.6%増から0.2%増へ下方修正され、1-3月期の国内総生産(GDP)の圧力となることは否めない。

1月企業在庫は前月比0.1%増と、横ばい予想を上回り昨年9月来の伸びとなった。一方、昨年12月分は0.1%増から横ばいに下方修正された。企業の売上高は前月比0.4%減と昨年12月の0.7%減から改善。しかし、売り上げ在庫比率は1.39から1.40へ上昇し、景気後退時の2009年5月以来で最高を記録した。バークレイズ銀は1-3月期の国内総生産(GDP)見通しを従来の2.4%から1.9%へ引き下げた。

ただ、利上げを決定した10-12月期GDPの0.9%成長からは伸びが拡大したことは確か。米経済専門局CNBCが42人の市場関係者を対象にした調査によると、回答者の95%は米連邦準備制度理事会(FRB)が3月米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとみている。しかし、ほぼ全員のエコノミスト、ファンドマネジャー、ストラテジストは次回のFRBの行動は利上げと見ており、83%の回答者は次回の利上げが6月FOMCまたはそれ以前の4月、5月に実施されるとみている。経済が引き続き順調に回復、雇用統計でも労働市場の順調な拡大が示されたほか、インフレも下げ止まったことが背景となる。ドルの上昇も一服したほか、金融状況もいくらか緩和したことは成長を支援すると見られている。エコノミストは平均で本年2回の利上げを予想している。12月時点では3回だった。FOMCスタッフは利上げを決定した12月時点の予測平均で年4回の利上げを予想していたが、今回のFOMCで発表される予測では4回から3回または、2回に引き下げられる見通し。ただ、声明やイエレンFRB議長の会見で6月の追加利上げが示唆されるとドル買いが一段と強まる。


◎CNBC調査(3/10実施)

■FRBが利上げを終了する時期と水準
2018年第3四半期2.73%(前回調査2018年第2四半期2.56%)

■2016年の利上げの回数
1.9回(12月時点2.8回、FRBスタッフ見通し4回)

■利上げ軌道見通し
2016年0.8%(FOMCスタッフ1.4%)
2017年1.6%(2.4%)
長期:2.7%(3.5%)

《NO》

 提供:フィスコ

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