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【特集】IBJ Research Memo(7):2018年12月期に売上高100億円、営業利益20億円を目標にする中期経営計画


■今後の見通しと成長戦略

(2)中期経営計画の概要と成長戦略について

今回、新たに3ヶ年の中期経営計画を発表している。経営数値目標としては最終年度となる2018年12月期に売上高10,000百万円、営業利益2,000百万円を掲げた。売上高については既存事業の成長で7,200百万円、婚活周辺領域への展開による新規事業(M&A含む)で2,800百万円を見込んでいる。また、IBJ<6071>が提供するサービスの会員数では、前期の42万人から100万人を目指していく考えだ。

今後の市場環境としては、未婚率の上昇と出生数の減少傾向が続くなかで、官民挙げた婚活需要の掘り起しによる少子化対策が強化されるものと考えられ、また、同時に結婚願望を持つ独身者が高い割合で存在するなかにおいて、婚活サービスに対する需要も拡大していくことが予想される。

こうした市場環境下で、同社は出会いから成婚まであらゆる婚活ニーズをオンライン(ネット)とオフライン(リアル)の両面から提供できる婚活サービスの業界トップ企業として今後も市場をけん引していくものと考えられる。同社の成長戦略としてはユーザー数の拡大とLTV(顧客生涯価値)の向上を挙げている。

ユーザー数を拡大していく戦略としては、前述した取り組みに加えて、2016年は新たにIBJゲートウェイアプリを7月頃にリリースする予定となっている。同アプリは婚活サービスだけでなく、その周辺領域(趣味、仕事等)のサービス活用を含めたゲートウェイアプリとすることで、会員数の拡大を図ると同時に顧客属性のデータベースを巨大化し、新たなサービス展開へとつなげていく。また、お見合いパーティーなどのイベント店舗については積極的に出店していくが、結婚相談所については直営での新規出店は行わず、各地域で事業パートナー(地方自治体を含む)と共同展開することで、出店スピードを加速化し、「日本結婚相談所連盟」の加盟件数を増やすことで、会員数を増やしていく。

一方、LTVの向上については、既存サービスの品質強化による顧客単価の上昇やリピート率の向上と、周辺領域へサービスを展開することで実現していく。例えば、結婚相談所で見れば、直営店では高品質なサービスを提供することで対象顧客層をアッパー層にシフトし、顧客単価を上昇していく。また、加盟店においても優良店と判断した店舗には直営店のサービスノウハウを移転し、同様の価値向上を進めていく。リピート率の向上については、主に婚活サイトや各種イベントにおいて取り組んでいく。現在、「ブライダルネット」の継続率は約80%、イベントは約60%(参加数2回以上の会員の比率)となっているが、ユーザー目線に立ったサービス施策を実施することでリピート率を高めていく考えだ。

婚活周辺領域への展開については、既に結婚式場や結婚指輪等の領域で34社の企業と提携を結び顧客の送客サービスを実施しているが、今後も不動産や転職、旅行など周辺領域を広げていくほか、同社自身でもこれら周辺サービスを展開していく構想を持っている(M&A含む)。同社では現在年間4,000組の成婚カップルをグループ内の婚活サービスによって誕生させているが、将来的には国内成婚数の約1%となる6,500組の成婚カップルを創出していくことを目標に掲げ、サービスの強化を進めていく方針となっている。

また、海外展開については台湾の婚活オンラインマッチングサービス大手である尚凡資訊股フン有限公司(サンファンインフォ:TWSE 5278)と2014年4月に合弁会社を設立し(出資比率57%)、イベント事業(お見合いパーティー)を開始している。2016年には結婚相談所のサービスも開始するほか、2017年には連盟事業を立ち上げるなど、国内での成長モデルを台湾でも移植していく。また、2018年以降は香港やシンガポール、タイなどその他のアジア諸国でも同様のサービス展開を進めていく予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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