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【特集】きちり Research Memo(6):16/6期は増収増益の見通し、利益は過去最高益を更新する見通し


■今後の見通し

(1) 2016年6月期の業績見通し

きちり<3082>の2016年6月期の業績は売上高が前期比15.3%増の8,500百万円、営業利益が同68.5%増の750百万円、経常利益が同70.8%増の750百万円、当期純利益が同286.9%増の450百万円と3期ぶりの増益に転じ、過去最高益を更新する見通しだ。

既存店舗の売上高は前期比2.0%減を前提としており、新規出店数は下期に10店舗を計画している。このうち、「いしがまやハンバーグ」「3 Little Eggs」など6店舗の出店が4月~5月にかけて決定しているほか、PFS事業でブランド・コンテンツ型の新たな取り組みとして遊休不動産を活用したライフスタイル提案型のオールデイダイニング型店舗「Anchor Point」(東京・千代田区)の出店を今春に予定している。また、残り3店舗についても現在、契約調整中の段階となっている。

PFS事業ではその他にも、ブランド・コンテンツ活用型で2案件を計画しており、クラウドサービスの契約店舗数は、前期末の約400店舗から約500店舗に拡大する計画となっている。PFS事業の今期売上高としては約100百万円(前期約60百万円)と売上規模は小さいものの、収益性が高いため利益増に貢献する見通しだ。

○月次売上動向
足元の月次売上動向を見ると、1月の既存店売上高は前年同月比1.5%増と2ヶ月連続でプラスとなるなど堅調に推移し、全店ベースでも同13.1%増と引き続き好調を維持している。既存店に関しては客単価が伸びていないものの、良好な天候が続いていることもあり、客数が増加していることが売上高の伸びにつながっている。通期計画の増収率が15.3%増とハードルがやや高いように見えるが、新規出店数が前下期は5店舗であったの対して、今下期は10店舗と2倍の出店を予定していることから、出店が計画どおりできれば通期業績計画の達成は可能と弊社では見ている。

○ブランド・コンテンツ活用型の新たな取り組みについて
同社はPFS事業のうち、ブランド・コンテンツ活用型での新たな取り組みとして、遊休不動産を活用して質の高いライフスタイルの提案を行う店舗を出店し、出店エリアの価値向上につなげていく取り組みを開始する。その第1弾として、今春、東京・千代田区のオフィスビル街にオールデイダイニング型の店舗「Anchor Point」を出店する。名前の由来は、テナントとして入居するビルが海運ビルであったことから、海を想起させるネーミングとした。ビル1Fに入居し、テラス席も含めて139席、坪数で221坪と同社にとっては大型サイズの店舗となる。メニューは「ミックスアメリカン」をコンセプトとしたグリル料理を中心に、クラフトビールや自家焙煎コーヒーなどを提供する。利用シーンとして、平日はビジネスマン向けを中心にモーニングやランチ、ディナーなど、休日はエリア周辺の住民向けにブランチやディナーなどでの利用を想定している。また、貸切パーティー等の需要も見込んでいる

今回の案件は、同社がブランド・コンテンツ活用型店舗として様々な業態の店舗を開発・運営してきた実績をビルオーナーから高く評価されてのものとなっている。同社では今後もライフスタイルなどを含めた付加価値を提案できる外食企業として、自社ブランドやブランド・コンテンツ型店舗の開発を進めていく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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