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【材料】オリコン---コミュニケーション事業が順調に成長中、長期的には新規事業にも注目


オリコン<4800>はウェブサイトの運営とモバイル向け音楽配信サービスなどを手掛ける。ウェブサイトは、総合エンタテインメントサイト「ORICON STYLE(オリコンスタイル)」や、顧客満足度(CS)ランキング掲載サイト「Oricon CS Ranking(オリコン日本顧客満足度ランキング)」などを運営。このほか、各種ランキングデータの提供や書籍の出版も展開しており、全国の調査協力店舗から収集したデータに基づく「オリコンランキング」の知名度は高い。また、前期から再生可能エネルギー分野やビッグデータの活用といった新規事業に本格着手。こうした新規事業を今後も継続して推進していく考えだ。

2016年3月期は売上高が前期比2.0%増の46.00億円、営業利益が同24.0%増の6.15億円を見込む。しかし、2月5日に発表した第3四半期累計決算は売上高が前年同期比3.5%減の32.36億円、営業利益が同7.8%減の2.93億円で着地。通期計画に対する営業利益の進捗率は47.6%にとどまり、通期計画達成に向けたハードルは高い。一方、来期(2017年3月期)に向けては業績が上向く兆しが出てきた。市場の縮小で引き続きモバイル向け音楽配信サービスや雑誌の出版が苦しいものの、自社ウェブサイトの知名度向上で広告収入が増加基調。第3四半期累計決算は全体で減収減益となったが、コミュニケーション事業だけを切り出すと売上高が前年同期比25.6%増の11.09億円、営業利益が同24.8%増の4.25億円と好調。全体の売上高に占める割合が34.2%となり、全体の営業利益に占める割合も38.6%まで拡大してきた。顧客満足度(CS)調査事業は基幹事業として堅調に推移している。また、バナー広告はスマートフォン向けが好調であり、今後も市場の拡大が予想される。

今後はコミュニケーション事業の拡大に加え、再生可能エネルギー分野やビックテータの活用などの新規事業も注目される。再生可能エネルギー分野では、2015年7月に栃木県矢板市のメガソーラーが売電を開始。同年11月には長崎県大村市のメガソーラーを簿価以上の価格で売却した。また、ビックデータの活用では、日本株式の情報サービス提供を目的に開発した金融工学モデルに基づく自社運用を2015年6月にスタート。今後は株式運用実績を踏まえて事業化の可否を判断する予定だ。

《SF》

 提供:フィスコ

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