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【市況】国内株式市場見通し:日銀会合とFOMC、週末にかけては原油相場に注目


先週の日経平均は16500-17000円のレンジ相場が続いた。週初は予想を上回る米雇用統計の結果を受けて、小幅ながら続伸で始まった。その後は前週末に節目の17000円を回復したことで、目先の利益を確保する目的の売りに押される展開となった。その後も10-12月期GDP改定値が予想に反して上方修正されたことにより、月内の日銀の金融緩和の可能性が後退。世界景気の減速懸念のほか、原油先物相場の下落が嫌気される場面も見られたほか、週末の先物オプション特別清算指数算出を控え、これに絡んだ断続的なインデックス売りの影響などもあった。

一方で、欧州中央銀行(ECB)理事会での追加緩和政策への期待のほか、翌週に控えている日本銀行の金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を見極めたいとのムードも強く、下を売り込む流れにはならかった。さらに下値では年金資金とみられる買いなども観測され、下支え要因となった。注目のECB理事会では包括的な金融緩和策を決めた。予想を上回る内容であったが、ドラギ総裁は「現状の見通しに基づくと、さらなる利下げは想定していない」と発言したことが嫌気されるものの、売り一巡後は改めて金融緩和策を評価する流れとなり、一時17000円を回復する底堅さをみせた。

今週は14、15日に日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各国の舵取りに市場の関心が集まりやすいだろう。前週の10-12月期GDP改定値の上方修正で追加緩和の可能性は恐らくないと考えられる。ただし、ECBが発表した予想外に強力な景気刺激策により、日銀の姿勢に影響を与えると考えられ、それほど遠くない時期として、マイナス金利の一段の引き下げと資産買い入れ拡大を組み合わせたサプライズが意識されよう。米国については、利上げの確率はほぼゼロと見込まれているが、前週の雇用統計を受けて、次の行動への見通しが注目されるところである。

また、原油相場については石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアは、20日にも原油の生産調整を検討する会合を開く方向である。産油国会合の開催時期をめぐり不透明感が広がる状況から強弱感が対立し、1バレル40ドル回復目前で足踏みをしている。ただし、週末にかけて会合への期待か高まり、節目の40ドルを捉えてくるようだと、商品市況全体への波及がみられる可能性がある。これが政府系ファンドによる株式売却への警戒感を後退させてくる可能性があり、原油相場の落ち着きが株式市場にプラス影響を与えてくることが期待される。

日経平均は価格帯別出来高では16900-17100円レベルで商いが膨らんでいる。これをクリアしてくると、18900円処までは比較的薄いため、節目の18000円は通過点となる可能性がある。一目均衡表をみると、雲下限に上値を抑えられる可能性が高そうだが、遅行スパンは上方転換シグナルを発生させてくる確率が高まっている。雲上限は今週、18014円辺りから週末には17440円辺りまで切り下がるため、一気に突破してくる可能性はある。日銀会合後は期末要因から配当志向の物色のほか、期末株価に対する思惑が高まりやすいところでもある。トレンド転換への期待感も高まる展開を意識しておきたいところである。

その他、経済イベントでは14日に1月の機械受注、15日に2月の米小売売上高、16日に2月の訪日外国人客数が発表されるほか、中国全人代が閉幕する。17、18日にEU首脳会議が開催される。

(村瀬 智一)

《FA》

 提供:フィスコ

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