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【市況】新興市場見通し:IPOラッシュ本格化が需給面の重しもしっかりした展開続く


先週の新興市場は、相場全体の地合い軟化で利益確定売りに押される場面もあったが、週末にかけて切り返す展開となった。週初はLINE関連株が買われたほか、週末にはバイオ株が上昇してマザーズ指数をけん引するなど、テーマ株や材料株の循環物色の流れが継続した。マザーズ売買代金は欧州中央銀行(ECB)理事会を控えた3月10日に一時落ち込んだものの、この日を除けば1000億円超の水準を維持している。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.4%であったのに対して、マザーズ指数は+2.6%、日経ジャスダック平均は+0.9%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で2.6%高、サイバーダイン<7779>が同5.7%高となった。サイバーダインは米ナスダック上場を検討していると報じられ、週末に急伸する場面があった。直近で強い値動きが続いたそーせいグループ<4565>は同0.3%高だったが、週末はバイオ株物色の流れで急反発した。その他、マザーズではマーケットエンタープライズ<3135>、AMBITION<3300>、アイビーシー<3920>が大きく上昇した。反面、前週上場したバリューゴルフ<3931>やヨシムラ・フード・HD<2884>、インフォテリア<3853>の下げが目立った。ジャスダック主力ではセプテーニ・HD<4293>が同8.8%高、セリア<2782>が同7.5%高となる一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.2%安となるなどまちまちだった。また、バンダイナムコHD<7832>による株式公開買付け(TOB)が開始されたウィズ<7835>のほか、アドアーズ<4712>、アクモス<6888>などの上昇が目立った。一方、アクサスHD<3536>やミナトHD<6862>が売られた。IPOでは3月9日にブラス<2424>がマザーズ及び名証セントレックスへ、11日にフィット<1436>がマザーズへ新規上場した。ただ、直近IPO銘柄の株価推移やIPOラッシュに伴う需給懸念から初値買いを手控えるムードが強まっている。

今週の新興市場は、引き続きしっかりとした推移になることが想定される。本格的なIPOラッシュに入ることが需給面の重しとなるものの、中小型のテーマ株や材料株に対する期待は依然強く、個人投資家の需給も良好と言える。日米の金融政策に係る重要イベントを通過した後は様子見していた資金の再流入も期待されよう。

3月14日から15日にかけて日本銀行・金融政策決定会合が開かれ、AMBITIONやインベスターズクラウド<1435>、日本アイ・エス・ケイ<7986>など金融緩和による恩恵享受が期待されている銘柄に引き続き関心が向かいそうだ。また、16日には2月訪日外客数が発表され、インバウンド関連株を見直す流れとなることも想定される。なお、今週は14日にモルフォ<3653>、15日にネオジャパン<3921>、ACCESS<4813>、16日にベステラ<1433>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、3月14日にマザーズへ上場するLITALICO<6187>を皮切りに、1週間で12社が新規上場するIPOラッシュとなる。特に15日は富士ソフトサービスビューロ<6188>など3社が、18日はアグレ都市デザイン<3467>など6社が同時上場するため、初値買い資金分散の影響には注意したい。なお、先週は丸八HD<3504>(4月8日、名証2部)、エディア<3935>(4月15日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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