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【市況】期末需給からトレンド転換への期待感も高まる【クロージング】


11日の日経平均は続伸。86.52円高の16938.87円(出来高概算27億6000万株)で取引を終えた。ECBが発表した予想外に強力な景気刺激策が評価されるものの、ドラギECB総裁の「さらなる利下げは想定していない」との発言が嫌気され、売りが先行した。しかし、下値では年金資金とみられる買いが観測されたほか、先物・オプション清算値算出を通過したことによる需給改善も意識されるなか、後場に入ると上昇に転じた。時間外の原油相場が落ち着いていたほか、円相場もやや円安に振れるなか、日経平均は一時17000円を回復。大引けにかけても底堅く推移していた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは銀行が上昇率トップとなったほか、鉄鋼、建設、ガラス土石、証券、不動産、海運、その他金融がしっかり。一方で、鉱業、サービス、ゴム製品、機械、食料品が小安い。

来週は14、15日には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各国の舵取りに市場の関心が集まりやすいだろう。日銀会合については追加緩和の可能性は恐らくないだろうが、ECBが発表した予想外に強力な景気刺激策により、影響を与えると考えられる。米国については、利上げの確率はほぼゼロと見込まれているが、前週の雇用統計を受けて、次の行動への見通しが注目されるところである。

日銀会合後は期末要因から配当志向の物色のほか、期末株価に対する思惑が高まりやすいところでもある。貸株の返却に伴うショートカバー的な動きも月末に向けて意識されてくる可能性もあり、トレンド転換への期待感も高まる展開を意識しておきたいところである。

《AK》

 提供:フィスコ

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