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【特集】電算システム Research Memo(1):国際送金サービス収益化、海外展開とストックビジネス拡大を目指す


電算システム<3630>は独立系総合情報処理サービス企業。システム構築のSI(システムインテグレーション)、ソフト開発、情報処理サービスなどを手掛ける「情報サービス」事業と、コンビニでの払込票決済サービスや国際送金サービスなどを手掛ける「収納代行サービス」事業の2つの事業部門を展開している。

2015年12月期決算は、売上高28,956百万円(前期比9.3%増)、営業利益1,042百万円(同9.7%減)と増収減益となり、業績は一旦踊り場を迎えることとなった。しかしながら、この減益の要因は不採算案件の発生という一時的な要因の影響が大きく、同社の持つ競争力や中長期の成長シナリオには従来から変化はないというのが弊社の理解だ。

同社は毎年、中期経営計画をローリング(見直し)して発表している。2015年?2018年新中期経営計画では、業績計画が従来計画から一段引き下げられた。業績計画引下げの中心は情報サービス事業だが、これは発射台となる2015年12月期実績が低くなった結果と弊社ではみている。収納代行サービスは微調整の範囲内の変動であった。

長期経営計画PLAN2020で掲げる業績目標(2020年度の売上高500億円)は堅持された。そこに至るための重点事業分野(3分野8事業)や、それぞれの事業分野での成長シナリオには従来から変更はない。今後の注目点としては、国際送金サービスの収益化に加え、海外展開とストックビジネスの拡大、M&Aの実行などを挙げることができる

2016年12月期は、売上高31,500百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,270百万円(同21.9%増)と大幅増収増益を予想している。情報サービス事業は不採算案件解消で収益水準が従来からの延長線上に回帰してくると期待される。収納代行サービスは堅実な成長が続いており、国際送金サービスの赤字縮小と単月黒字化が今期の注目ポイントだ。電力小売り全面自由化の恩恵が同社の決済サービス事業に及ぶかどうかも要注目点だ。

■Check Point
・15/12期は増収減益で着地、売上高は過去最高を記録
・国際送金サービスは順調に送金件数や登録顧客数が伸びる
・海外展開とストックビジネスへの構造転換を進める

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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