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【特集】神戸物産 Research Memo(1):業務スーパー事業のほか外食事業、再生可能エネルギー事業を展開


神戸物産<3038>は農畜産物の生産から製造加工、小売販売に至るまで製販一体の六次産業企業として国内トップ企業である。食品スーパーである「業務スーパー」をFC展開するほか、外食事業、再生可能エネルギー事業へと展開。店舗での徹底的な「ローコストオペレーション」とオリジナル商品の開発・生産技術力、輸入商品調達力などが、「業務スーパー」の成長の原動力となっている。2013年には、ジー・テイスト<2694>を始め外食事業を主に展開する(株)ジー・コミュニケーショングループをグループ会社化している。

2015年10月期の連結業績は売上高が前期比6.8%増の228,590百万円、経常利益が同33.4%増の8,568百万円と過去最高業績を連続で更新した。顧客ニーズに対応したPB商品の開発や効果的な販促施策の実施、生産子会社の収益改善効果などにより、主力の業務スーパー事業が前期比8.2%増収、21.4%増益と好調に推移したことが主因だ。

2016年10月期も業務スーパー事業をけん引役として、売上高は前期比6.3%増の243,000百万円、経常利益が同6.2%増の9,100百万円と増収増益を見込む。業務スーパーの店舗数は首都圏エリアを中心に出店を行い、前期末比25店舗増を計画している。今期も自社グループ商品などPB商品の開発強化を進め、生産子会社の収益向上も増益要因となる。また、外食事業で赤字の続いていた神戸クック事業についても、黒字化を目指していく。エコ再生エネルギー事業に関しては当初想定よりも増強ペースが鈍いものの、前期より黒字転換している。なお、地方活性化への貢献を目的とした観光事業として2016年に大分県の温浴施設、北海道の観光農園や商業施設をオープンする予定となっている。

株主還元策として、同社は経営成績に応じた利益配分を行うことを基本方針としており、2016年10月期は前期比実質横ばいの40.0円(配当性向19.7%)を予定している。また、株主優待制度として10月末の株主に対して、保有株数に応じて自社グループ商品の贈呈を行っている(100株で3,000円相当)。

なお、同社は2016年2月9日に、同社株式を対象とするインサイダー取引が行われた疑いがあるとした新聞報道を受けて、証券取引等監視委員会の行う調査に協力している事実を明らかにしている。同社においても、同社役職員の関与の有無も含めて現在調査を実施中であり、証券取引等監視委員会の行う調査に引き続き全面的に協力することを表明している。

■Check Point
・商品数はPB商品、ナショナルブランド商品合わせて約4,000点に上る
・新業態の輸入食品専門店「ガレオン」の動向に注目
・業務スーパー事業を軸に中期的な成長を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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