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【市況】<マ-ケット日報> 2016年3月8日

 8日の市場は日経平均が続落。終値は前日比128円安の1万6783円だった。前日の米国株は上昇したものの、円高や中国株安を受けて朝方から売りが優勢となってしまった。一時は下げ幅が341円に達する場面があったが、上海株の切り返しに合わせて後半は下げ幅を縮めている。日経平均は相変わらず外部環境次第という状況。なかなか自立的なトレンドが描けないでいる。

 昨日の米国市場は原油相場の大幅上昇を好感してダウ平均が5日続伸した。WTI(NYの原油先物)が38ドル弱とほぼ2カ月ぶりの高値(2月の安値26ドルから46%の上昇率)をつけたことが買い安心感を誘っていた。原油相場の底打ち感が強まってきたことでマーケットの不安要因がひとつ解消されつつある。一方、東京市場は原油高、米株高だけでは上がれないようで、本日は1ドル=112円台に入った円高が株価を圧迫する1日となってしまった。10年物国債利回りがマイナス0.1%と過去最低を一時更新したこともマーケットの不安を誘ったようで、銀行株が下げるなど心理的な重しとなったようである。金利低下で円高進行というのは日銀の政策が効いていないひとつの表われであろう。これ以外の観点も含め、来週の日銀金融政策決定会合で追加緩和は行われないと見られている。さて、チャート面においては日経平均の1万7000円近辺が目先のカベとなりつつあるようで、本日の動きからもやはり円安進行がカベ突破の大きなカギとなりそうである。円安が伴わないうちは一定のレンジ内取引に終始しそうだ。(ストック・データバンク 編集部)

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