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【特集】ダイナック Research Memo(1):2018年に向けた新中期経営計画スタート


ダイナック<2675>はサントリーグループの中の外食事業関連の中核子会社。「食の楽しさをダイナミックにクリエイトする」という企業理念の下、直営ビジネスとして「響」「燦」「魚盛」などのレストラン・バーを運営するほか、受託ビジネスとしてゴルフ場やリゾート施設などのレストランの運営受託を行っている。

2015年12月期は、業界全体の既存店売上高が前年割れするのを横目に、同社は101.4%とプラスを維持した。新店効果も加わり、4期連続の増収増益を達成した。売上高は、天候に恵まれたほか倶楽部ダイナック(会員カード)を軸にしたマーケティングが奏功して、期初予想対比でも上回った。一方、利益は人件費(採用費用なども含む)が増加したことで圧迫され、期初予想を下回っての着地となった。

同社は2016年~2018年の3ヶ年新中期経営計画を発表した。基本的な構造は前中期経営計画を引き継いだ形となっているが、位置付けとしては前中期経営計画の“基盤強化”から今中期経営計画は“成長”へとステージが変わっており、個々の施策では従来に比べて一歩踏み込んだ対応をしてくると期待される。従来は新規出店に際して業態ごとに画一的な店づくりだったものが、今後は同一業態でも立地毎の特性に合わせて変化をつけるようなケースが想定される。

新中期経営計画の計数目標では、毎年15店の新規出店を行い、倶楽部ダイナック会員の拡大なども交えて収益を拡大し、最終年の2018年12月期において売上高40,500百万円、経常利益1,400百万円を目指すとしている。その前提となる既存店前期比を各年100.5%とするなど、成長ステージとは言いつつも“着実な”成長を目指す計画という印象だ。利益面では人件費の増加圧力は継続した経営課題と考えられるが、基本的には、売上高が計画通り推移すれば、利益計画も無理なく達成できるものと弊社では考えている。

同社は2015年12月期まで10円配が続いてきたが、2016年12月期の予想配当については2円増配の12円を予定している。前中期経営計画において業績が順調に拡大し、将来の持続的成長に対しても自信度が深まったことや、財務状況が充実してきたことが増配に踏み切った理由と考えられる。株主優待制度も継続されている。

■Check Point
・15/12月期は4期連続の増収増益で着地
・「魚盛」や「虎連坊」などが業績伸張に貢献
・20店舗の新規出店を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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