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【特集】ザインエレクトロニクス Research Memo(1):映像用の高速インターフェース技術のリーディングカンパニー


ザインエレクトロニクス<6769>は日本のファブレス半導体メーカーの草分け的企業。高解像度の画像伝送用半導体に強み。テレビ向け主体から、ここ数年は産業機器、車載市場の開拓に注力している。無借金経営で財務体質は良好。

2015年12月期(2015年1月?12月)の連結業績は、売上高が前期比6.1%減の3,488百万円、営業利益が同16.1%減の312百万円となった。産業機器やモバイル向け半導体が堅調に推移したものの、中国・韓国のテレビ向けが第4四半期に入って大きく減少したことが響いた格好だ。

2016年12月期の売上高は前期比16.2%増の4,052百万円、営業利益は同66.6%増の520百万円と増収増益に転じる見通し。上期まではテレビ向けの低迷や研究開発費を積極投下するため収益水準は低迷が続くが、下期以降は産業機器、車載向けなどで新規顧客の開拓が進むほか、電源モジュールなど新製品の投入効果などにより収益は回復トレンドに転じるとみている。

同社は今期を新たな成長に向けた「発射台」となる1年と位置付けている。同社が2015年6月に量産を開始した高速データ伝送用半導体「V-by-OneRHS」が4Kテレビだけでなく、高精細化が進む車載用カメラやセキュリティカメラ市場での採用拡大が期待できるほか、ISPや電源モジュールなど他の半導体とのソリューション提案による販売強化も進めていく方針だ。また、今期は「V-by-OneRHS」の次世代品となる「V-by-OneRUS」の技術も確立する予定で、8Kの映像伝送技術も低コストで実現可能となる。映像用の高速インターフェース技術のリーディングカンパニーとして、同社の今後の業績拡大が期待されよう。

■Check Point
・無借金経営で財務状況は極めて安全
・半導体の単体ビジネスからソリューション提案型ビジネスへシフト
・内部留保と共に株主還元も充実させる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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