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【経済】NYの視点:鉄鉱石相場が急騰、中国政府による景気刺激策への期待


鉄鉱石市場が急騰した。上昇率は過去最高を記録。本年だけですでに46%上昇した。銅やアルミの流動性不足に加え、中国政府が先週末に発表した5年間の経済政策「第13次5か年計画」で景気底入れを目指した措置を強化する方針を示したことが鉄鋼需要の見通しを引き上げた。鉄鉱石市場は世界経済動向に敏感である。このため、鉄鉱石市場の回復を見て、世界経済への懸念も後退しつつある。鉄鉱石市場の回復とともに原油市場や銅などのベースメタル市場も連れ高となった。新興国市場通貨に加え、商品価格通貨として知られる豪ドル、加ドルなどの支援材料となる。

また、原油価格の安定は世界経済だけでなく、米国経済の回復を確認しインフレの上昇にもつながる可能性もある。このため、先週末に発表された2月雇用統計を受けて上昇していた米国の年内の追加利上げ確率はさらに上昇。

中国政府は5日に全人代で2016年の予算案を発表した。その中で財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2015年の2.4%から3%まで拡大させる方針を示した。また、楼継偉財政相は7日、景気下支えのために公共投資などの財政出動にさらなる余地があるとの認識を示したため、今後、財政支援をさらに引き上げる可能性もあると見られている。政府はまた、建設業の活動を押し上げるべく住宅市場への貸し出しに拍車をかける措置も検討している模様。建設需要の増加は必然的に鉄、鋼鉄の需要を高めることになる。

《NO》

 提供:フィスコ

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