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【市況】米国株式市場見通し:海外の重要イベントに注目


2月雇用統計が予想を上回る好調な内容となったことから、FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は9月まで53%、11月は56%、12月は67%(4日時点)に上昇。年後半の追加利上げが現実味を増してきた。5日から16日にわたり、中国の全国人民代表大会(全人代)が開催されるほか、10日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催予定だが、何らかの金融緩和策が発表されれば株式相場に追い風となるだろう。来週にFOMC(連邦公開市場委員会)を控える中、7日にはフィッシャーFRB副議長の講演も予定されており、注目が集まる。

短期的には引き続きエネルギーや金融関連銘柄が、原油価格の影響を受けやすい展開が予想される。先週、原油先物価格は36ドル台にまで回復、10年債利回りは一時1.90%にまで上昇したが、不安定な動きが続いているため予断を許さない。一方でマイクロソフトやアップルなどのオールドテックと呼ばれるハイテク大手は、マクロ要因による直接的な業績への影響は限定的であり、現預金の保有比率や利益の観点から相対的に割安な銘柄も多く、優良な投資先として見直される可能性がある。

経済指標では1月卸売在庫(9日)、2月輸入物価指数(11日)などの発表が予定されている。また中国の2月貿易収支(7日)や2月消費者物価指数(9日)なども、株価動意材料となりそうだ。輸入物価指数は1月に1.1%のマイナスとなり、7ヶ月連続のマイナス成長が続いている。同指数はインフレ率に影響を与えるため、利上げ判断において重要な指標となるが、依然として原油安が続いており、低調となる可能性が高い。

個別銘柄では、アパレルのアーバン・アウトフィッターズ(7日)やディスカウントストアのダラー・ゼネラル(10日)の決算発表が予定されている。先週、スポーツ用品小売のスポーツ・オーソリティが経営破綻したほか、会員制卸売のコストコ・ホールセールやディスカウントストアのダラー・ツリーの決算が予想を下回ったこともあり、警戒感が広がっている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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