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【市況】新興市場見通し:需給良好で堅調な展開が続くか、ブラスとフィットがIPO


先週の新興市場は、外部環境の改善が好感され日経平均が節目の17000円を回復するなか、相場全体の地合いに連れ上昇した。3月2日に日経平均が600円超上昇すると、週後半にかけて中小型株への資金シフトの動きも再び見られ、マザーズ指数は大きく上昇した。5日にはマザーズ売買代金が1500億円を超えるなど、商いも活発となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+5.1%であったのに対して、マザーズ指数は+10.9%、日経ジャスダック平均は+3.1%だった。マザーズ指数は5日続伸し、昨年8月以来の水準を回復している。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で11.4%高、そーせいグループ<4565>が同21.8%高となり指数をけん引した。そーせいグループはなお強い値動きが続いており、上場来高値を大きく更新した。前週に業績予想の下方修正で急落したFFRI<3692>が同7.7%高となるなど、マザーズ指数の上昇に連れ足元で株価の低調だった銘柄にも買いが向かった。その他マザーズではリミックスポイント<3825>、アイビーシー<3920>、エヌ・ピー・シー<6255>などが個別材料を手掛かりに急伸した。反面、前週上場したはてな<3930>は初値上昇の反動できつい下げとなった。ジャスダック主力ではクルーズ<2138>が同10.0%高、イリソ電子工業<6908>が同17.9高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同13.5%高と2ケタの上昇率となった。また、新技術開発が材料視された太洋工業<6663>のほか、アイサンテクノロジー<4667>、エスケーエレクトロニクス<6677>などの上昇が目立った。一方、ヤマウ<5284>や夢の街創造委員会<2484>が売られた。IPOでは3月2日にバリューゴルフ<3931>がマザーズへ、3日に中本パックス<7811>が東証2部へ、4日にヨシムラ・フード・HD<2884>がマザーズへそれぞれ新規上場した。このうち、バリューゴルフは公開価格の約2.5倍となる高初値を付けた。

今週の新興市場は、堅調な展開が続くことが想定される。相場全体としては、米2月雇用統計が良好な内容だったうえ、3月5日から始まった中国の全国人民代表大会や10日に控える欧州中央銀行(ECB)定例理事会で政策等への期待感が持続するだろう。新興市場では、マザーズ指数が利益確定売りをこなしながら商いを伴って上昇しており、需給面は良好と言える。

前週末には、無料対話アプリのLINEが夏前にも東京とニューヨークで上場するとの観測が報じられている。テーマ株への循環物色の流れが続くなか、週明けはネットイヤーグループ<3622>などLINE関連銘柄の動向をマークしておきたい。なお、今週は3月7日にアスカネット<2438>、9日にアキュセラ・インク<4589>、10日に鎌倉新書<6184>、11日にフルスピード<2159>、フリービット<3843>、アイリッジ<3917>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、3月9日にブラス<2424>がマザーズ及び名証セントレックスへ、11日にフィット<1436>がマザーズへそれぞれ新規上場する。ともにIPOで人気の高い事業内容ではないが、ブラスは需給良好でしっかりした初値形成が見込まれる。フィットは公開規模がやや大きいものの、IPOラッシュの影響はまださほど大きくなく下値不安は小さいだろう。なお、先週はハイアス・アンド・カンパニー<6192>(4月5日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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