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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩み、米雇用統計は堅調でも追加利上げに期待薄


今日の欧米外為市場では、22時半発表の米雇用統計を受けたドル・円の上値の重さに注目したい。非農業部門雇用者数は前月から改善は見込まれるものの、米連邦準備制度理事会(FRB)による2016年中の追加利上げ観測が後退しているためドルの上昇は限定的となりそうだ。

今月に入って2月供給管理協会(ISM)製造業景気指数(1日)や2月ADP民間雇用者数(2日)の上振れなど米経済指標の堅調さは目立つもののドル買いは続いていない。FRBが昨年12月に9年半ぶりに利上げに踏み切った際、2016年は4回の利上げが市場コンセンサスだったが、年初からの市場の混乱などを受け足元ではせいぜい1回とみられているためだ。

2月ISM非製造業総合指数(3日)は市場予想を小幅に上回ったものの、雇用指数は前月から低下するとともに約2年ぶりに節目の50を割り込んだことが材料視され、利上げへの期待はさらに後退している。

今晩の米雇用統計は、2月失業率が1月と変わらずの4.9%、非農業部門雇用者数は前月比+19.5万人と、1月の+15.1万人から改善する公算。しかし、予想通り堅調な内容となっても市場の悲観的な見方を払拭するのは困難だろう。追加利上げ観測が再燃する展開は想定しにくく、ドル・円の上昇幅はせいぜい70-80銭程度と予想する。

【今日の欧米市場の予定】

・22:30 米・2月非農業部門雇用者数(予想:前月比+19.5万人、1月:+15.1万人)
・22:30 米・2月失業率(予想:4.9%、1月:4.9%)
・22:30 米・1月貿易収支(予想:-440億ドル、12月:-433.6億ドル)
・22:30 カナダ・1月貿易収支(予想:-9億加ドル、12月:-5.9億加ドル)

《SY》

 提供:フィスコ

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