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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ショートポジションをニュートラルにする


4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ショートポジションをニュートラルにする
・ドル・円は113円61銭付近、日銀総裁発言でドル売りも
・京セラ<6971>、アルプス電<6770>など電子部品関連には買い戻しの動きが継続


■ショートポジションをニュートラルにする

日経平均は小幅に反落。4.10円安の16956.06円(出来高概算13億8000万株)で前場の取引を終えている。日経平均は直近で900円を超える上昇だったほか、シカゴ先物清算値が大阪比145円安の16845円だったこともあり、利益確定の売りが先行した。ただし、寄り付き直後に16861.38円まで下げた後は底堅い値動きが続いており、前引け間際にはプラスに転じる場面もみられている。

セクターでは鉱業、ガラス土石、石油石炭、非鉄金属、機械、証券、卸売、電気機器、金属製品などが堅調。一方で、情報通信、医薬品、陸運、不動産、水産農林、保険などが一服となっている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。規模別指数では大型株指数のみが小幅に下げる半面、小型株指数の強さが目立つ。

日経平均は一時プラスに転じるなど底堅い値動きが続いている。米雇用統計の上振れ期待が高まっており、利上げ見通しに影響を与える可能性はある。それでも3月の米FOMCでの市場予想は「据え置き90%」である。雇用統計の結果が好感され、一方で追加利上げ観測が強まらないようだと、NYダウは17000ドル突破から一段のリバウンドが意識される。先回り的な動きはないだろうが、ショートポジションをニュートラルにする場面において、日経平均の押し上げにつながる可能性はありそうだ。

大引けにかけては週末要因もあって利食いが強まる可能性はある。ただし、米雇用統計の上振れ期待のほか、原油相場についても底堅さが意識されてきている。中国では全国人民代表大会(全人代)の開幕を控え、政策期待なども高まりやすいだろう。16900-17100円処は価格帯別出来高で商いの膨れている水準ではあるが、レンジ上限辺りへのトレンドが強まる展開も意識しておきたい。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は113円61銭付近、日銀総裁発言でドル売りも

ドル・円は113円61銭付近で推移。黒田日銀総裁の発言を受け、一時ドル売りが強まった。

ドル・円は、日経平均株価の弱含みを受け、朝方113円76銭から値を下げる展開となった。日銀黒田総裁が参院予算委員会で「さらにマイナス金利を引き下げることは考えていない」と述べたことを受けてドルは一時113円24銭まで下落。3日に付けた直近安値113円22銭に迫った。ただ、その後黒田総裁は状況次第で追加金融緩和を行うと明言しており、ドルは下げ止まった。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いとなっていることから、ドルは目先底堅い値動きが予想される。ただ、今晩の米雇用統計発表を控え様子見ムードが強まりやすい。また、引き続き利益確定売りが強いため、上値は重くなりそうだ。

12時27分時点のドル・円は113円61銭、ユーロ・円は124円35銭、ポンド・円は160円93銭、豪ドル・円は83円74銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・KDDI<9433>、Fリテ<9983>、アステラス薬<4503>で日経平均を約48円押し下げ
・京セラ<6971>、アルプス<6770>など電子部品関連には買い戻しの動きが継続
・投資判断引き上げの富士石油<5017>、ふくおかFG<8354>が堅調


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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