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【市況】原油底入れの流れから、一段のリバウンドへの期待/オープニングコメント


 3日の日本株市場は、戻りを試す展開が期待される。2日の米国市場では、前日の大幅上昇を受けて利益確定の売りが先行。地区連銀経済報告(ベージュブック)で大半の地区で経済活動が拡大したとの認識が示されると、追加利上げへの警戒感から上値の重い展開となった。しかし、その後原油相場が上昇に転じたほか、2月ADP雇用報告が予想を上振れたことで、引けにかけて緩やかに上昇に転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円安の16700円だった。

 2日の日経平均は600円を超える大幅上昇だったこともあり、シカゴ先物にさや寄せする格好での利食い先行は想定内であろう。ADP雇用報告が予想を上回ったことから、雇用統計への期待にもつながりやすく、為替市場では円安・ドル高に振れやすいとみられる。また、原油相場の底入れ感が強まってきている。米週間在庫統計が前週から増加したことで、一時下げに転じる場面もみられたが、その後は切り返しをみせていた。

 原油価格の急落でサウジアラビアの財政が圧迫される中、大手ヘッジファンドが通貨下落に賭け攻勢をかけていると報じられている。一方で、サウジアラビアが採用している原油価格下落を積極的に容認する戦略が、自国民の医療福祉問題に悪影響を及ぼす事態になってきたとも報じられている。価格安定への方向転換も意識されやすく、早晩、原油価格の目先底が意識されてくる可能性がありそうだ。

 ADP雇用報告の予想を上回る結果やベージュブックでの経済活動の拡大が示されたこと、さらに原油相場の底入れの流れから、一段のリバウンドへの期待が高まりやすい。価格帯別日経平均では16900円-17100円辺りで商いが膨らんでおり、その水準までは戻り待ちの売り圧力の影響は限られそうである。前日の大幅上昇に対する利食いをこなしつつ、今年初の3日続伸が意識されよう。
《AK》

 提供:フィスコ

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