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【特集】ネクステージ Research Memo(7):高成長を支え、自店間競合を避ける広域多店舗展開


 

■事業概要

(5)広域多店舗展開

狭い商圏での専門店による多店舗展開は、自店間競合を生み出してしまうおそれがある。ネクステージ<3186>は、専門店を広域に出店することを回避策とした。成長戦略としては、従来の商品を新しい市場で売る、新市場開拓型になる。新しいエリアへ参入するに当たり最も重視するのは、既存事業者との競合になる。ローカルエリアでは、既存事業者は小型店が多く、同社の新店舗が地域一番店になる確率が高い。関東のように商業集積度が高く、競争先が多くても、人口密度が高く、商圏規模も大きいため出店余地がある。これまで同社が退店を決断したケースは、赤字ではないものの、店舗サイズが中途半端な非効率店であった。

進出先における同業者との競合状況を精査し、勝率が8~9割になるよう心掛けている。現在は、中古車販売業者の展示車両と販売価格の情報がGoo-net(グーネット)やカーセンサーnetなどで検索・閲覧できるため、未開拓のエリアにおける競合先の価格競争力などを容易に把握できる。

同社は、車両価格を「限界」まで抑えるため、ローコスト・オペレーションを行う。その施策には、新規出店のイニシャルコスト抑制も含まれる。大量の新規出店は、初期費用と店舗運営が軌道に乗るまでの期間、全体の利益の足を引っ張りかねない。同社の解決策は、居抜きの形態による出店である。店舗開設からの投資回収期間は、新築の場合、約3年を要するが、居抜きであれば6?12ヶ月で済む。

居抜きに活用する店舗は、パチンコ、ゲームセンター、スーパーやコンビニエンスストアなどの跡地になる。看板を架け替えたり、内装を改造したりするものの、建屋はそのまま使用する。標準的な中型店の規模は、敷地が1,500坪、展示スペースが約100台になる。パチンコ店は、店舗規模が大きく、改修費に1億円から1億5千万円もかかることがある。ただし、店舗の大きさが、顧客に信頼感を与える。キッズスペースなども取れることから、主婦の来店も増える。2階建て駐車場を完備している物件は、階下に展示車を並べるため、雨天や降雪時も営業がしやすい。

以前は、不動産会社から持ち込まれた物件情報を精査するという受け身であった。現在は、同社から希望するエリアや規模などを提示して情報を得るというより能動的な形に改めた。これにより、出店のための作業効率と精度の向上、リードタイムの短縮が図れる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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