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【市況】抵抗線突破を見極め、こう着なら中小型株にシフト/ランチタイムコメント


 日経平均は続伸。66.82円高の16255.23円(出来高概算10億5000万株)で前場の取引を終えた。注目されたG20では、世界経済の底上げを図る成長戦略などについて議論が行われ、最近の金融市場の混乱に対し、「すべての政策手段を用いる」などとする文章を盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。G20を受けた金融安定化への期待から買いが先行し、一時16464.75円まで上げ幅を拡大した。
 しかし、円相場が1ドル113円前半レベルと朝方から円高に振れて推移しているほか、中国・上海指数の昨年来安値更新が重しとなり、前引けにかけては上げ幅を縮めている。セクターでは、自社株買いが好感された日産自<7201>が7%超の上昇となり、輸送用機器が上昇率トップ。情報通信、非鉄金属、電気機器、精密機器が堅調。一方で、空運、石油石炭、不動産、陸運、食料品などが小安い。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の7割近くを占めている。規模別指数では小型株指数の強さが目立つ。

 日経平均は一時16400円を超える場面もみられたが、25日線辺りが上値抵抗として意識されてしまっているようである。ただし、5日線を上回っての推移であり、下値は切り上がっている。為替がやや円高に振れており、手掛けづらいところではあるが、日産自<7201>の自社株買いを評価した流れから輸送用機器は全般堅調となっており、地合いは悪くないだろう。
 まずは日経平均の5日線や基準線の突破を見極めたいところ。こう着が続くようだと、新興市場の中小型株にシフトしやすいと考えられる。中小型で出遅れ感の強い銘柄などには、水準訂正の動きも意識されやすいであろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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