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【経済】NYの視点:米1月耐久財受注、一段の悪化は回避


米商務省が発表した1月耐久財受注は前月比4.9%増と、市場予想の2.9%増を上回り3か月ぶりの増加に改善し、2015年3月以降で最大の伸びを記録した。製造業の活動が一段と悪化するリスクがとりあえず回避された格好で、安心感も広がった。主な要因は防衛航空機・部品の新規受注が84.8%増加したこと。前月比66.8%減から大きく反転。非国防の航空機受注も54.2%増と、前月の29%減と相殺した。同指数は輸送用機器受注の影響が大きく、かなりボラタイルな指標として知られている。

変動の激しい輸送用機器を除いた耐久財受注は前月比1.8%増と、予想の0.3%増を上回りやはり3ヶ月ぶりの増加、12月の0.7%減と相殺された形。企業の設備投資の先行指標として注目されるコア資本財(非国防/除航空機)受注は前月比3.9%増と2014年中旬以降で最大の伸びを記録。2年来の最低水準に落ち込んだ2015年末から改善した。ただ、前年比では12か月連続の減少。

国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は前月比0.4%減と12月の0.9%増から減少に落ち込んだものの予想の0.5%減は上回った。12月分も0.2%増から0.9%増へ上方修正された。ただ、前年比では3.3%減と、米国経済が景気後退から脱出した2009年6月付近の水準、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を実施した2013年の水準に並ぶ。米国経済は景気後退(リセッション)は避けられそうだが、低水準の成長が続く可能性がある。

アトランタ連銀は1-3月期の国内総生産(GDP)見通しを従来の2.6%から2.5%へ下方修正した。2月19日に米国労働省が発表した消費者物価指数(CPI)を受けて、実質的な個人消費見通しを従来の3.3%から3.1%へ引き下げたためと説明。アトランタ連銀のGDP見通しは特に正確性に定評がある。

《NO》

 提供:フィスコ

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