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【通貨】欧米為替見通し:円買い継続か、英国のEU離脱懸念や中国のミサイル配備問題で


今日の外為市場では、円買い地合いが続きそうだ。英国の欧州連合(EU)離脱に現実味が増しているほか、中国による南シナ海のミサイル配備問題に関し米中間で緊張感が高まっているためだ。足元では円売り材料が見当たらないことから、円高に振れやすい展開を想定する。

英国政府は20日、EU離脱の是非を問う国民投票を6月23日に実施することを決定。これを受けロンドン市長など有力政治家は離脱支持を表明したため英国のEU離脱に現実味が増し、週明け以降はリスク回避的な動きが広がっている。ポンド・円やユーロ・円が大きく値を下げたことをきっかけにドル・円の下落にも波及。ポンドやユーロへの懸念は目先も続く見通しで、市場の警戒感から円はなお買われやすいとみられる。

また、米中間の緊張も円買い要因。中国が前週に南シナ海の島に地対空ミサイルを配備したとして、米国政府は中国側を批判している。一方、中国はこの問題について言明していないが、報道によると、中国外務省の報道官は「米国は南シナ海の軍設備を騒ぎ立てるための口実にするべきでない」と語った。現時点で戦闘行為に発展する可能性は低いものの、地政学的リスクとして無視できない問題で、積極的なドル買いは手控えられやすい。このため、11日に付けた直近安値110円99銭は意識しておきたい。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 独・2月IFO企業景況感指数(予想:106.8、1月:107.3)
・19:00 カーニー英中銀総裁が議会証言
・22:30 フィッシャー米FRB副議長講演(金融政策)
・23:00 米・12月S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+5.60%、11月:+5.83%)
・24:00 米・1月中古住宅販売件数(予想:533万戸、12月:546万戸)
・24:00 米・2月消費者信頼感指数(予想:97.1、1月:98.1)
・24:00 米・2月リッチモンド連銀製造業指数(予想:2、1月:2)
・03:00 米財務省2年債入札(260億ドル)

《SY》

 提供:フィスコ

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