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【経済】NYの視点:【2/16IMM】円買い持ち3年ぶり高水準維持、来週はG20、米GDP改定値などに注目


シカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで2月16日付けのネットの円買い持ち高は前週から増加し3年ぶり高水準を維持。

来週は26-27日に中国上海で、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。世界成長や中国市場の混乱が議題になるという。一部の諸国がマイナス金利に踏み切る中、向かい風に直面している世界経済の成長に向けた措置を模索する。このためリスク警戒感は緩和するとみられる。

日本や欧州がマイナス金利を導入し一段の緩和に動く中、米国が追加利上げを続けるのは「非常に困難」との見方で、市場は連邦公開市場委員会(FOMC)が追加利上げを2017年まで見送るとの見方を強めている。2016年の投票権を有しているセントルイス連銀のブラード総裁は、インフレ期待が低下し株式相場が荒れている状況下で、FOMCが利上げを継続することは「賢明ではない」との見解を示した。昨年まで早期利上げの必要性を主張してきたブラード総裁の方針転換は重要視されている。少なくとも3月の利上げの可能性は薄れた。同総裁の見解は中立に近く、全メンバーの平均的な意見として注目される。

米国商務省は10-12月期国内総生産(GDP)改定値を発表する。2015年最後の四半期の成長率は、速報値から一段と下方修正され0.5%増と、ほぼ2年ぶりの低い伸びに留まる見込み。悲観的見方が大半を占める中、原油価格の下落にかかわらず、1月のインフレが上昇する兆しが見られること、また、1-3月期の国内総生産(GDP)は2.5%程度の成長が予想されていることから考えると、年内の利上げの可能性は完全に除外できない。

一方、欧州では成長やインフレの回復が遅れ、年初からの金融混乱やチャイナショックで一段と下方リスクが上昇したとし、欧州中央銀行(ECB)は次回3月の理事会で追加緩和に踏み切ると見られ、ユーロの上値を抑えると見る。また、英国は欧州連合(EU)への残留の是非を問う国民投票の実施を前にEU残留のための条件としていた求めていた改革案をEUが合意したと伝えられた。このため、英国がEU離脱を回避できる可能性が強まりポンドの買戻しが予想される。


●G20

26?27日:20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(上海)


●米国

23日:フィッシャー米FRB副議長が金融政策に関する講演、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁がブルーンバーグラジオインタビュー
24日:カプラン米ダラス連銀総裁がダラスで講演、ブラード・セントルイス連銀総裁がNYで講演
25日:ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁がNYで講演
26日:パウエルFRB理事がディスカッションに参加、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が講演、10?12月期国内総生産(GDP)改定値:予想+0.5%(速報値+0.7%)


●英国

22日:キャメロン首相は欧州連合(EU)のメンバーシップに関する交渉、改革を求めたEU首脳会談後、議会で演説を開催すると見られる
23日:カーニー英中央銀行総裁が議会証言


●地政学的リスク

ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン


【IMM】

*日本円
ネット・円買い持ち:+47,901(2/16)←円買い持ち:+ 43,232(2/9)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-48,205(2/16)←ユーロ売り持ち:-63,314(2/9)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-36,255(2/16)←ポンド売り持ち:-36,300(2/9)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-4,366(2/16)←スイスフラン売り持ち:-7,268(2/9)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-45,085(2/16)←加ドル売り持ち:-51,935(2/9)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル買い持ち: +2807(2/16)←豪ドル売り持ち:-5626(2/9)

《NO》

 提供:フィスコ

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