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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):JAL、日写印、トレンド、村田製

■ライオン <4912>  1,196円  +17 円 (+1.4%)  本日終値
 ライオン<4912>が堅調。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が18日付でレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ、目標株価を1000円から1300円に引き上げた。国内、海外におけるオーラルケアのブランド力上昇や市場単価上昇の享受による収益性改善、パーソナルケア拡販と中国ECの拡大による海外事業成長の進展などを評価。今16年12月期は通期連結営業利益で会社側計画の180億円(前期実績163億7400万円)に対して従来予想の167億円から190億円へ、来期予想を181億円から209億円へ引き上げている。

■新生銀行 <8303>  146円  +2 円 (+1.4%)  本日終値
 新生銀行<8303>が異彩高。市場では、日銀が早い時期にマイナス金利の拡大を実施する可能性があるとの見方が広がっており、メガバンクや地銀株に買いが入りにくい地合いが継続している。今日も銀行株が軒並み安となる中、新生銀行が買われて上げ幅を拡大する動きとなっている。大和証券が新生銀行について新規に株式レーティング「3」(中立)を付与してカバレッジを開始し、目標株価を150円に設定したことが買い手掛かり材料視されているようだ。リポートでは、同行は特に、「新生銀行カードローン レイク」のブランドで銀行本体が手掛ける消費者金融ビジネスが順調な拡大を続けており注目されると紹介。専門性の観点から強みを有すストラクチャードファイナンス(不動産、プロジェクトファイナンス等)とも並び、今後の収益の牽引役として期待は大きいとの見解を示している。

■三井不動産 <8801>  2,649円  +28 円 (+1.1%)  本日終値
 全般相場がリスク回避の動きとなるなかで、三井不動産<8801>、住友不動産<8830>など大手不動産株が高い。日銀によるマイナス金利導入は、銀行や生保の収益基盤を脆弱化させ、家計への影響も取り沙汰されるなどネガティブな面がクローズアップされているが、有利子負債が多く、資金調達コストの低下メリットを受ける不動産関連企業にとっては順風が吹く。住宅ローン金利の引き下げに伴う住宅需要喚起への期待もあり、一部機関投資家が流動性の高い大手不動産株へ資金シフトする動きも観測されている。

■日本航空 <9201>  3,970円  +31 円 (+0.8%)  本日終値
 JAL<9201>が反発。全般相場が下落するなか、原油価格の下落が業績の押し上げ要因に働くとの期待が出ている。また、ゴールドマン・サックス証券は18日、同社株の「買い(コンビクション・リスト)」を継続した。目標株価は5400円(従来5600円)に引き下げている。17年3月期の会社計画は費用計画が大き目にとられた保守的なものと指摘。来期の連結営業利益は2351億円と市場予想(2290億円前後)を上回ると見込んでいる。

■シャープ <6753>  167円  +1 円 (+0.6%)  本日終値
 シャープ<6753>が小幅高。同社の経営再建を巡り、台湾・鴻海精密工業と官民ファンドの産業革新機構との間で駆け引きが繰り広げられてきたが、シャープは鴻海の買収提案に対し優先的に交渉している。20日に取締役を集め、鴻海からの出資受け入れなどの再建策を協議することが伝わっている。株価は既に、革新機構の提示する支援額を上回る鴻海買収の線を織り込んでいるとみられるが、交渉が大詰めを迎えていることで、改めて株価が後押しされる格好となっている。

■日本写真印刷 <7915>  1,718円  -346 円 (-16.8%)  本日終値  東証1部 下落率トップ
 18日、日写印 <7915> が200億円のユーロ円建て新株予約権付き社債(転換社債=CB)を発行すると発表したことが売り材料。転換価格は2209円で、発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は21.1%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。調達資金のうち120億円は、ベルギーのARメタライジング買収時の短期借入金の返済、残額はM&A関連資金に充てる。

■トレンドマイクロ <4704>  3,585円  -595 円 (-14.2%)  本日終値  東証1部 下落率2位
 トレンドマイクロ<4704>がマドを大きく開けて急落。前日に発表された15年12月期連結決算の中身と16年12月期の業績見通しが売り手掛かり材料となった。同社が発表した16年12月期の営業利益予想は273億円(11.9%減)で2ケタの減益となり、売りのきっかけとなった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のリリースしたリポートでは、「2015年12月決算:ネガティブ、ファンダメンタルズ良好も2ケタ営業利益減益計画発表」と紹介、野村証券では「法人中心に好調な需要トレンドは不変、のれん除くベースでは増益」とリポートで紹介、投資判断は「バイ」を継続し、目標株価は5600円から5400円へ調整している。またSMBC日興証券ではトレンドマイクロの決算発表を受けてリリースしたリポートで、「個人向けは縮小見通し、企業向けは費用先行、利益は伸び難い」として投資評価「3」、目標株価3300円を継続すると紹介している。

■国際石油開発帝石 <1605>  866.6円  -90 円 (-9.4%)  本日終値  東証1部 下落率4位
 国際石油開発帝石<1605>が昨年来安値更新。野村証券では、現行株価は足元の油価低迷が長期化した場合のキャッシュフローを反映しているため、油価の底入れを織り込んでいないと指摘。世界需要拡大や米国減産により原油の需給ギャップが縮小し、早ければ16年後半に油価が底入れする可能性があると解説。中長期的にはIchthysの利益寄与などが見込めることから、株価は割安との見方で、レーティング「バイ」を継続。目標株価は1780円から1290円に引き下げている。

■エイチ・アイ・エス <9603>  3,215円  -210 円 (-6.1%)  本日終値
 エイチ・アイ・エス<9603>は急反落。18日の取引終了後に発表した子会社ハウステンボスの第1四半期(10~12月)決算で営業利益が前年同期比8.7%減となったことから、連結業績への影響を懸念した売りが出ているようだ。前期に実施した大阪城でのイルミネーションイベントを今期は実施しなかったことから、入場者数が前年同期比2.7%減となったことが響いた。なお、ハウステンボスはHISの連結営業利益の半分近くを占めている。

■村田製作所 <6981>  13,320円  -775 円 (-5.5%)  本日終値
 村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>、フォスター電機<6794>など電子部品株が大幅安。いずれも前日まで4日続伸と底入れ足をみせていたが、きょうは全体相場急反落を受けて目先筋の利益確定を急ぐ動きが表面化した。外国為替市場で円買いの動きが強まり、足もとは1ドル=112円台後半と再び円高傾向が強まっている。また、中国でのスマートフォン需要の減速も意識され、17年3月期は減益の可能性も視野に入るだけに、戻り足にも勢いが伴っていない。

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