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【経済】NYの視点:市場はECB3月会合での追加利下げをほぼ織り込む


欧州中央銀行(ECB)は18日、1月開催の理事会議事要旨を公表した。次回会合となる3月の定例理事会でECBが追加緩和を講じる新たなヒントとなった。1月20?21日に開催された理事会では、次回会合で現行の緩和策を再検証する必要があるとの方針を全会一致で決定。主なリスクは下方で、新たな下方リスクが強まっており、リスクが具体化する前にリスクを考慮し予防的な措置が好ましいとの考えでまとまった。12月の理事会から1月会合にかけて、ユーロStoxx50インデックスは17%下落したほか、原油価格の下落、中国のイベントが世界経済へのリスクを高めた。

議事録の中で、3月の追加緩和に関し、ドラギECB総裁がメンバー多数の支持を得たことが証明された。ECBの議事要旨公表を控えた16日、ドラギ総裁は欧州連合(EU)議会証言において、インフレや成長を押し上げるため更なる行動も辞さない構えを示し市場の追加緩和期待を強めた。ユーロ圏の昨年10?12月期0.3%成長にとどまったほか、インフレも0.4%と、過去2年間にわたり1%を下回ったまま。また、4年間、ECBの目標値である2%を達成できすにいる。OECD(経済協力開発機構)は主要先進7か国の成長見通しを従来の2.3%から2%成長へ下方修正した。ユーロ圏は1.4%へ、11月時点の1.8%から下方修正。さらに、世界の成長見通しは実質的には横ばいだと警告。先進国に対し、速やかに協調し強い行動をとるよう促した。

政策議論の中心はどの程度の水準までECBの利下げが可能かということ。マイナス金利は銀行の収益を圧迫するが、減益分を相殺するためECBは更なる利下げをする必要性が高まる。投資家は86%の確率でECBが次回3月10日に予定されている理事会で現行‐0.3%の預金金利を0.2%引き下げ-0.5%に設定すると見ている。さらに、現在月600億ユーロ規模の資産購入プログラムを増額すると予想している。G+エコノミクスのエコノミストは今後も利下げが続き最終的には-1.0%に達すると見ている。中期的なユーロ上昇基調に転じたと見るのは時期尚早と考えられる。

《NO》

 提供:フィスコ

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