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【通貨】欧米為替見通し:束の間の安心感で円売り基調も、明日以降は再び寒風の日々か


今日の海外市場では、円売り基調となりそうだ。米国市場が休場で懸念が軽減されるほか日本株が大幅高となるなど、リスク回避の動きは後退する見通し。ただ、中国経済の不透明感は残るほか原油の安値圏推移が続くなか、ドルには積極的な買い手がかりが乏しいことから上昇は限定的となろう。

週明け15日のアジア取引時間帯では、日経平均株価が前週末比1000円超上昇したことから市場の警戒感は後退。また、安倍晋三首相が15日午前の衆院予算委員会で、「(今月26-27日開催予定のG20会合では)世界情勢について、しっかりした対応をとってもらいたい」と語ったことから安心感が広がった。さらに春節で8日から12日まで休場だった中国市場では、上海総合指数はマイナス圏推移だったものの5日の終値近くまで下げ幅を縮小したことが一段の円売りを誘発した。

とはいえ、市場のセンチメントが改善したわけではない。今日8時50分に発表された日本の国内総生産(GDP)は前期比年率が-1.4%と、予想の-0.8%、7-9月期の+1.3%(修正後は+1.0%)を下振れ、2期ぶりのマイナス成長に転じた。また、中国の1月輸出入はいずれも予想と前回実績を大きく下回った。さらに、原油価格も安値圏推移が続いている。ある邦銀関係者は「株価が値を戻すだけではドル買いを進めにくい」と指摘。懸念要因は完全に払拭されていないため、ドル・円の下落圧力は強まりやすい。このため、明日以降、ネガティブな材料が意識されれば再び不安定な相場となり、リスク回避的な円買い基調に戻る可能性はあろう。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・12月貿易収支(予想:+275億ユーロ、11月:+236億ユーロ)
・23:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で証言
・米国休場(プレジデンツデー)

《SY》

 提供:フィスコ

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