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【市況】新興市場見通し:個人投資家のマインド改善には主力大型株の反発力見極める必要も


先週の新興市場は、世界的なリスクオフの流れが強まる中で日経平均が連日急落する中、大幅安の展開になった。とりわけ、マザーズ指数は、週初こそ上昇したものの、その後は6.9%安、3.3%安、8.2%安と連日で大きな下げとなった。急速な外部環境の悪化に個人投資家のマインドも萎縮、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに、昨年来安値を一気に更新した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-11.1%であったのに対して、マザーズ指数は-15.6%、日経ジャスダック平均は-9.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で17.4%安、サイバーダイン<7779>が同18.3%安、タカラバイオ<4974>が同12.3%安と急落。そーせいグループ<4565>は10-12月期の好決算が好感されて同3.8%安にとどまった。ジャスダック時価総額上位銘柄では、今期の黒字転換見通しを発表したマクドナルド<2702>が同1.3%安、想定を上回る好決算発表、投資判断格上げが観測されたハーモニック<6324>が同5.9%安となったほか、好決算発表も出尽し感が強まったエン・ジャパン<4849>が同22.6%安と急落した。ほか、上方修正と記念配実施を発表したインベスターズクラウド<1435>は同19.7%高と急伸、大幅増収増益見通しのマイネット<3928>も同23.5%高と大幅高。リバーエレテク<6666>も好決算が素直に好感される。アイセイ薬局<3170>は投資ファンドが公開買い付け実施を発表、TOB価格にさや寄せする形となって同16.6%高に。レカム<3323>は人工知能関連のAI insideとの業務提携で同24.5%高。雑貨屋ブルドック<3331>の急伸が刺激となって、超低位株の一角で賑わうものも見られた。一方、FFRI<3692>、クルーズ<2138>などは決算発表後に軟化、インフォテリア<3853>も好決算にプラス反応は限定的。全面安となるなか、業績下方修正を発表した朝日ラバー<5162>、PSS<7707>などは相対的にきつい下げが目立った。

先週末の欧州金融株高、原油市況の急上昇など、外部環境の改善が見られる中、今週の新興市場はリバウンド狙いの動きが先行する可能性は高い。ただ、欧州金融システムに対する警戒感が完全に払拭するには時間を要すると見られるほか、休場明けの中国株式市場の動向なども懸念材料となり得る。個人投資家のマインド改善には、主力大型株の反発力を見極める必要もあり、相対的に戻りは限定的となる公算。

先週末で決算発表は大方一巡したが、今週は15日にUBIC<2158>、ITBOOK<3742>、カヤック<3904>、アドベンチャー<6030>、シノケンG<8909>、16日にセルシード<7776>、17日にAppBank<6177>などが予定されている。また、先週末には中村超硬<6166>、ワイヤレスG<9419>などが順調な決算を発表。好決算発表も、地合いの悪化に押されたような銘柄群の見直しの動きなどにも注目しておきたい。

IPO関連では、LITALICO<6187>(3月14日、マザーズ)、ユー・エム・シー・エレクトロニクス<6615>(3月15日、東証1部or2部)、富士ソフトサービスビューロ<6188>(3月15日、JASDAQ)、富山第一銀行<7184>(3月15日、東証1部or2部)、昭栄薬品<3537>(3月16日、JASDAQ)、アカツキ<3932>(3月17日、マザーズ)、ヒロセ通商<7185>(3月18日、JASDAQ)、の新規上場が発表された。

《FA》

 提供:フィスコ

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