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2016年02月10日16時12分

【特集】メディア工房 Research Memo(7):M&Aによる先行投資で損失幅が拡大


■決算概要

(2)2015年8月期連結決算の概要

メディア工房<3815>の2015年8月期の連結業績は、売上高が前期比2.2%減の2,427百万円、営業利益が同58.5%減の268百万円、経常利益が同65.8%減の216百万円、当期純利益が同73.7%減の86百万円と減収減益となった。

売上高は、前期より本格参入したゲーム事業や電話占いサービスが伸長したものの、主力の占い事業が縮小したことから減収となった。もっとも、占い事業の縮小は、前期(2014年8月期)と比べてヒットコンテンツに恵まれなかったことの反動によるものであり、既存コンテンツを中心として総じて堅調に推移したとみるのが妥当であろう。また、ソリューション事業やO2O事業については、撤退したブランド事業を含め、不採算部門の整理を優先したことから低調に推移した。

利益面では、ゲーム事業への本格参入や新規事業への先行投資により原価率が上昇したことに加え、収益事業育成のため、ブルークエスト及びギフトカムジャパンを連結子会社化したことにより、のれん償却費を含めた費用が増加したことから営業減益となった。また、「DPG!事業」の整理(約145百万円の損失)や「おこづかいアプリ」の整理(約24百万円の損失)に係わる特別損失を計上したことから当期純利益はさらに大きく減益となった。

財務面では、現預金の減少や事業整理に伴う資産圧縮等により総資産が3,425百万円(前期末比6.5%減)に減少した一方、自己資本は2,014百万円(前期末比2.2%減)と僅かに減少したことから自己資本比率は58.8%(前期末は56.2%)に改善した。また、現預金残高は1,890百万円(前期末比10.8%減)に減少したものの、依然として潤沢なキャッシュポジションを維持しており、流動比率も291.6%(前期末は263.5%)と高い水準となっている。

各事業別の業績は以下のとおりである。

占い事業は売上高が2,266百万円(前期比5.3%減)、営業利益が864百万円(同17.7%減)であった。前期(2014年8月期)と比べてヒットコンテンツに恵まれなかったことにより減収となったが、既存コンテンツを中心に総じて堅調に推移した。根強い人気があるフィーチャーフォン向け占いコンテンツは、新規コンテンツをキャリア公式サイト向けに継続的に投入した。なお、これまでフィーチャーフォン向けはスマートフォンへの急速なシフトにより縮小傾向をたどってきたが、ここにきて下げ止まりの兆しが出てきたようである。一方、スマートフォン向けは、キャリア公式サイトに加えて、「App Store」及び「Google Play Store」への投入や「LINE占い」への人気コンテンツの提供、「GREE占い」やニュースキュレーションアプリ「Flipboard」及び「Gunosy」への占いロジック及びデータ提供など、配信プラットフォームの拡大を図った。また、スマートフォン保有率の高い若年層ユーザー向けに占いロジックを用いたエンターテインメント系コンテンツの配信を行うなどコンテンツジャンルの拡充にも注力した。

ゲーム事業は売上高48百万円(前期は1.9百万円)、営業損失133百万円(前期は4.5百万円の営業損失)であった。2015年1月に自社ブランド「OBOKAID’EM」を立ち上げ、「BOOST BEAST」に続いて、「みどりのほし」を相次いでリリースしたことが増収に寄与した。2015年8月期末時点で「BOOST BEAST」は50万DL、「「みどりのほし」は150万DLを超えており、その後も着実にDL数を伸ばしている。特に、「みどりのほし」は広告収益モデルとなっており、同社が目指しているハイブリッド型収益モデル(アプリ内課金と広告収益の組み合わせ)の確立に向けて大きな前進となった。一方、利益面では、自社ブランドの立ち上げや2014年10月にM&Aしたブルークエスト(のれん償却費を含めて53百万円の損失)への先行投資などにより損失幅が拡大した。

ソリューション事業は売上高38百万円(前期は51百万円)、営業利益11百万円(前期は34百万円)であった。電話占いサービスのシステム受託のほか、AR技術を用いた受託販売を新規にスタートした。ただ、不採算受託案件の見直し等から業績は一旦縮小する格好となった。

O2O事業は売上高6百万円(前期は12百万円)、営業損失84百万円(前期は68百万円の損失)であった。ブランド事業として展開していた「DPG!事業」や「おこづかいアプリ」からの撤退等により縮小となった。なお、「おこづかいアプリ」からの撤退については、ランキング操作の可能性から「App Store」などが全面的に禁止する動きとなったことに対応したものである。

その他事業は売上高67百万円(前期は22百万円)、営業損失39百万円(前期も39百万円の営業損失)であった。電話占いサービスにおいて、自社サービス「Lierre ?リエル?」が好調であったことに加え、競合サイトの「ラフィネ」及び「マドンナ」を事業譲渡により取得したことから事業が拡大した。また、利益面でも、第4四半期での黒字化を達成している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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