【市況】後場に注目すべき3つのポイント~祝日前にポジション圧縮の流れも強まりやすい
10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・祝日前にポジション圧縮の流れも強まりやすい
・ドル・円は114円62銭付近、午後も株価動向を注視する展開に
・KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、Fリテ<9983>で日経平均を約107円押し下げ
■祝日前にポジション圧縮の流れも強まりやすい
日経平均は大幅に続落。385.59円安の15699.85円(出来高概算17億4000万株)で前場の取引を終えた。16000円割れは14年10月末以来となる。9日の米国市場ではNYダウが一時150ドル近く下げる局面もみられたが、引けにかけて下げ幅を縮めていた。また、シカゴ日経225先物は一時15820円まで下げる場面もみられたが、清算値は大阪比55円高の16115円となるなか、前日に900円を超える大幅な下げだった反動もあって、自律反発の流れが先行した。しかし、寄り付き直後につけた16163.03円を高値に、その後マイナスに転じると、昨日同様、じりじりと下げ幅を拡大させている。
東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700と全体の8割を超えている。セクターでは33業種全てが下げており、情報通信が5%を超える下げに。その他、その他金融、非鉄金属、電力ガス、ガラス土石、食料品、陸運、卸売、銀行、その他製品の弱さが目立つ。売買代金上位では、ファナック<6954>、SMC<6273>、OLC<4661>が堅調。一方で、メガバンク3行のほか、ソフトバンクグ<9984>、NTT<9432>、KDDI<9433>、NTTドコモ<9437>など通信株の弱さが目立つ。
金融株の弱い動きが続くなか、通信株が軒並み下げており、日経平均の重しとなっている。日経平均は直近安値とのダブル・ボトム形成をあっさり拒否される格好となり、目先底が確認しづらい状況である。ファナック<6954>の上昇インパクトは限られてしまっている。
10日の米国市場ではイエレンFRB議長の議会証言を控えており、米利上げペースが鈍るとの思惑等もあるため、これを見極めたいとする模様眺めムードが強まっている。指値状況が薄い中をインデックスに絡んだ商いに振らされやすい。週末にオプションSQを控えているが、明日は祝日となるため、よりポジション圧縮の流れも強まりやすいと考えられる。
もっとも、先行き不透明感が強い中での下げであり、翻弄されている感はみられない。反対にファナックのほか、OLC<4661>やSMC<6273>など、個別に材料のある銘柄への物色は根強い。個別に材料のある銘柄への循環物色が続こう。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は114円62銭付近、午後も株価動向を注視する展開に
ドル・円は114円62銭付近で推移。日経平均株価の下げ幅縮小を意識してドルは一時115円14銭まで戻した。日経平均株価は385円安で午前中の取引を終えたが、午後の取引でも株価動向が主要な手掛かり材料になるとみられている。
下げ幅が再び縮小した場合、ドル・円は115円台に戻す可能性は残されている。ここまでのドル・円は114円26銭から115円26銭で推移。ユーロ・円は弱含み、129円21銭から130円11銭で推移。
12時24分時点のドル・円は114円62銭、ユーロ・円は129円50銭、ポンド・円は165円89銭、豪ドル・円は80円84銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、Fリテ<9983>で日経平均を約107円押し下げ
・目標株価引き上げのゼネコン大手は伸び悩むも、下げ幅は限定的
・洋エンジ<6330>、日揮<1963>、関ペイント<4613>など決算発表
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・特になし
<海外>
・中国休場(春節、8日-13日)
・香港休場(旧正月、8日-10日)
《SY》
提供:フィスコ