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【特集】<話題の焦点>=高級路線に進むバレンタイン市場

自分へのご褒美、贅沢に

 百貨店のバレンタイン特設売り場はOLを中心に今年も盛り上がりを見せている。

 江崎グリコ<2206>の「バレンタイン事情2016」の調査によると、2015年にチョコレートにかけた平均金額は3526.6円で、2016年予想では3778.9円と増加の見通しだ。比較的高単価になりやすい自分チョコや男性顧客の取り込みに向けて、各百貨店は趣向を凝らしたイベントを開催している。

 高島屋<8233>では、新宿店で「一粒ショコラショップ」が初登場。20ブランドの人気ショコラを有料でテイスティングができ、お気に入りのチョコレートが見つけられる。セブン&アイ・ホールディングス<3382>の傘下である西武池袋本店では人気の日本酒「獺祭」とコラボレーションしたバーを特設売り場内に開設。チョコレートをつまみに飲酒ができるこのコーナーは、男性も気軽に立ち寄れる空間となっているため、新たな購買層の増加につなげる見込みだ。

気軽なイメージを刷新

 一方で、セブン&アイ・ホールディングスのセブン―イレブンはゴディバや資生堂パーラーなど有名ブランドのチョコレートを販売。

 総合スーパー大手のイオン<8267>も手をこまねいていない。ホテルオークラや帝国ホテル<9708>といった有名ホテル監修による高級チョコレートの販売に力を入れる。バレンタイン当日にあわてて買うイメージを払しょくするねらいがある。

新たな購買層拡大へ

 江崎グリコの同調査によると、全国10~40代の男女でコミュニケーションを深めるための「シェアチョコ」が人気になっていることがわかった。チョコを渡す相手は家族や恋人、友達のほかにも仕事関係など同性異性を問わず感謝の気持ちを込めてチョコレートを渡すことが普及してきたようだ。

 同社では、ロングヒット商品「Pocky」を期間限定で感謝などの気持ちになぞらえたパッケージ仕様にして販売する。多くの人とバレンタインを楽しむことを目的とするため、廉価で数量のあるチョコレートが好まれる傾向にある。そのため、森永乳業<2264>、明治ホールディングス<2269>、不二家<2211>といった大手菓子メーカーの需要も期待できそうだ。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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