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【市況】新興市場見通し:400社超が決算発表予定、短期物色中心の展開続く


先週の新興市場では、週後半にかけて為替相場の円高進行とともに日経平均が不安定な展開となるなか、リスク回避的な動きが強まった。週初は日本銀行のマイナス金利導入を受けて、不動産株などを中心に買いが先行。バイオ株などが買われる場面もあったが、日経平均の下落に連れ押し目買いの動きは限定的となり、売り方の勢いが強まった。マザーズ指数は25日線や節目の800ptをあっさりと割り込んだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が-4.0%であったのに対して、マザーズ指数は-4.9%、日経ジャスダック平均は-2.1%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で4.9%安、サイバーダイン<7779>が同7.8%安、そーせいグループ<4565>が同5.6%安と全般軟調だった。前週にテーマ株物色の流れから賑わったジグソー<3914>は一転同22.8%安ときつい下げになった。また、マザーズではリアルワールド<3691>、ビリングシステム<3623>、ソーシャルワイヤー<3929>など同2割以上下落する銘柄が多く見られた。一方、タカラバイオ<4974>は一部証券会社の投資評価引き上げなどもあり同1.8%高とプラスを確保した。また、業績予想の上方修正など好材料が相次いだフュートレック<2468>、一部メディアで遺伝子治療薬について取り上げられたアンジェスMG <4563>が急伸。ディー・エル・イー<3686>、MRT<6034>、イー・ガーディアン<6050>なども大きく上昇した。ジャスダックでも、クルーズ<2138>が同6.3%安、デジタルガレージ<4819>が同5.7%安となるなど主力株は総じて軟調だった。ネクストジェン<3842>、構造計画研究所<4748>など前週人気化したテーマ株は利益確定売り優勢で大きく下げた。反面、1月既存店客数が33ヶ月ぶりにプラスへ転じた日本マクドナルドHD<2702>は同5.5%高となった。また、注文支援システムの特許取得で人気化したジェイテック<2479>のほか、守谷商会<1798>、アール・エス・シー<4664>などの上昇も目立った。

今週の新興市場は、400社超の企業が決算発表を予定しており、業績動向やニュースリリースなど個別材料を受けた短期物色中心の展開が続くことが想定される。ただ、資金の逃げ足の速さには注意が必要となるだろう。株式市場全体が落ち着きを見せるまで、新興市場への本格的な資金流入は期待しにくい。商いが低調となるなかで売り方の勢いが強まる場面も再び出てくる可能性がある。

今週は8日にフュートレック、9日に日本マクドナルドHD、セプテーニ・HD<4293>、エン・ジャパン<4849>、10日にインベスターズクラウド<1435>、FFRI、インフォテリア<3853>、そーせいグループ、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>、12日にAMBITION<3300>、リアルワールド、ジグソー、アイサンテクノロジー<4667>、デジタルガレージ、サイバーダインなどが決算発表を予定している。なお、前週末にはインベスターズクラウドが前期業績の上方修正を発表している。

IPO関連では、ヨシムラ・フード・HD<2884>(3月4日、マザーズ)、ブラス<2424>(3月9日、マザーズ・名証セントレックス)、フィット<1436>(3月11日、マザーズ)の新規上場が発表された。3月のIPOは計5社となっている。また、5日にははてな<3930>(2月24日、マザーズ)の仮条件が発表されている。ブックビルディング期間は8日から15日までとなる。

《FA》

 提供:フィスコ

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