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2016年02月05日20時30分

【特集】田部井美彦氏【決算佳境、波乱相場の今後を読む!】 (3) <相場観特集>

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 前週末1月29日に、市場が想定外だった“マイナス金利の導入”という新たな金融緩和策を日銀が発動。これを好感して日経平均株価は2日間で823円の急騰をみせた。ところが、2日からは一転して4日続落で逆に合計1045円もの下落に見舞われた。先行き不透明感の増すなか、16年3月期第3四半期累計の決算発表は既に峠を越えて、その内容が明らかになってきた。そこで、この決算結果を踏まえ、第一線の市場関係者に当面の相場見通しを聞いた。

●「参院選に向けて1万9000円目指す」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 足もとで円高・ドル安が急激に進行していることから、自動車や電子部品といった主力輸出企業には来期の減益リスクが台頭しており、株価が調整場面となっても、安易に買い出動できない状態が続いている。また日銀が導入に踏み切ったマイナス金利では、今後マイナスの金利幅が広がる懸念もあり銀行株は見送らざるを得ない。

 ユーロ圏は先行してマイナス金利を採用しており、対ユーロでの円安は望めそうもない。また、米国でも最近の経済指標が事前予想を下回るケースが多く、利上げスピードは鈍ることが想定され、大幅な円安・ドル高のシナリオは描きにくい。

 日本国内で株価が反転上昇に向かう独自の要素を見つけ出すのは難しい。ただ、今後到来する、春闘、伊勢志摩サミット、夏の参院選などのイベントに絡んで景気浮揚、株価上昇につながるような政策が打ち出される期待感はある。日経平均は、参院選に向けて1万9000円台を目指す期待感はあるものの、その前にいったん1万6000円台を割り込む可能性もある。

 決算発表は、苦戦する企業が目立つが、富士重 <7270> やマツダ <7261> のように販売自体は好調なものの、円高などで利益成長にブレーキが掛かって株価が下落している銘柄については見直し余地がある。また、スマートフォンの台数ベースでの成長鈍化のなかでも、高機能化に対応可能な村田製 <6981> などには強みがある。

 16年3月期第3四半期累計の利益が、据え置かれた通期予想を超過達成したソニー <6758> は、ゲーム、音楽、映画などソフト関連の幅広い分野での利益確保が可能となっており、収益構造の改善が顕著だ。さらに、原油安で恩恵の大きい食品トレー、弁当・総菜容器の最大手のエフピコ <7947> 、新宿ワシントンホテル本館の改修後の利益寄与が期待できる藤田観 <9722> にも注目している。

(聞き手・冨田康夫)


<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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