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【特集】明光ネット Research Memo(1):第1四半期は増収・営業増益、第2四半期より生徒募集の強化を図る


1月12日付で発表された、明光ネットワークジャパン<4668>の2016年8月期第1四半期(2015年9月-11月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.0%増の4,111百万円、営業利益が同14.4%増の379百万円と増収増益となったものの、特別損失として講師給与調整金449百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純損失は94百万円(前年同期は353百万円の利益)となった。主力の明光義塾事業(FC含む)に関しては、教室数が2,130校(前年同期比1校減)、生徒数が144,178名(同86名増)とほぼ横ばい水準で推移した。

少子化が続くなかで個別学習指導塾業界は競争激化が増しており、同社においても生徒数の伸び悩みが続いている。こうした状況を打破するため、第2四半期よりテレビCMやWEB広告などを積極的に展開し、ブランドイメージ向上によって生徒数の獲得を強化していく方針だ。生徒募集に係る関連費用は、期初計画に対して658百万円積み増す格好となる。こうした費用増を主因として、2016年8月期の連結業績は売上高で前期比4.6%増の19,639百万円(期初計画比179百万円減)、営業利益で同19.3%減の2,870百万円(同830百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益で同39.1%減の1,442百万円(同958百万円減)にそれぞれ下方修正している。ただ、今回の追加費用は一時的なものであり、来期以降は再び増収増益に転じる見通しだ。

その他の教育サービス事業については全般的に売上高が順調に伸びている。事業規模としてはまだ小さいため、損益面では全体で若干の赤字となっているものの、スクール数及び生徒数は着実に増加傾向となっている。特に、外国人向けの早稲田EDU日本語学校や、学童保育需要に対応する明光キッズ事業などは成長ポテンシャルも高く、今後の成長が期待される。

資本配当政策については従来通り、積極的な姿勢を継続していく。配当に関しては配当性向で段階的に80%程度まで引き上げていき、上場来の連続増配を継続していく基本方針に変わりない。2016年8月期の業績は下方修正したが、1株当たり配当金は前期比4.0円増配の38.0円(配当性向70.6%)と期初計画を据え置いている。また、株主優待制度では8月末の株主に対して保有株数、継続保有期間によって1,000~5,000円相当のQUOカードを贈呈する。株主優待も含めた単元当たりの投資利回りは、現在の株価水準(1月20日時点で1,020円)で4~6%台の水準となる。

■Check Point
・すべてのセグメントで増収、主力の明光義塾事業が業績けん引
・通期業績予想を下方修正したが、生徒募集の追加費用は一時的コスト
・配当性向は段階的に80%程度まで引き上げる方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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