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2016年02月02日16時00分

【特集】リプロセル Research Memo(1):ヒトiPS細胞に関わる商品・サービスをワンストップで提供


リプロセル<4978>は世界的な幹細胞研究の権威である京都大学・中辻憲夫(なかつじのりお)教授と東京大学・中内啓光(なかうちひろみつ)教授が創業に携わったバイオベンチャーで、2003年に設立された。現在はヒトiPS細胞に関わる研究試薬の販売から細胞製品の作製、創薬支援サービスに至るまでワンストップで商品・サービスの提供を行っている。今後、高成長が見込まれる再生医療分野で世界トップ企業を目指すべく、2014年以降、欧米のバイオベンチャーを相次いで子会社化している。

同社は事業ポートフォリオを「研究試薬」「創薬支援」「再生医療(計画)」に分類し、各領域において事業拡大に向けた取り組みを推進している。「研究試薬」は、大学や研究機関向けが主力顧客で、競争力の高い複数の新製品を2015年に入って発売しており、国内外での売上拡大を進めていく。また、「創薬支援」では製薬企業向けにヒトiPS細胞の作製、販売を行うだけでなく、受託サービスも行っている。2015年12月に子会社化したBiopta Limited(英国)は、前臨床試験受託サービスを行っており、今後は同子会社のノウハウ、設備を活かして、ヒトiPS細胞を使った前臨床試験の創薬支援サービスを早期に立上げていく方針となっている。

また、再生医療分野進出に向けて必要となる事業基盤が構築されたことから、2017年3月期を目途に開発ターゲットやパートナーを決め、2018年3月期より事業化に向けた具体的な取り組みを開始していく方針だ。このため、一時的に研究開発費が膨らみ収益が悪化する可能性はあるものの、国内の条件付き早期承認制度を活用することで、早期の収益化が期待される。再生医療の世界市場は2012年3,400億円規模から2050年には53兆円と大きく成長することが予測されており、同市場においてヒトiPS細胞の作製技術やその周辺技術で強みを持ち、ワンストップソリューションを提供できる同社の成長ポテンシャルも大きいと言えよう。

なお、2016年3月期の業績は売上高が前期比169.8%増の1,530百万円、経常損失は495百万円(前期は456百万円の経常損失)と期初計画を据え置いているが、第4四半期よりBioptaが子会社として加わることもあり、第3四半期決算発表時点で業績修正が行われる可能性がある。

■Check Point
・欧米各2社買収による技術、研究、営業でのシナジー効果を期待
・開発・営業人員を中心に体制強化を進める
・18年3月期から国内での再生医療事業を開始

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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