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【特集】リアルワールド Research Memo(1):クラウドソーシング事業の拡大で2016年9月期は2ケタ営業増益へ


リアルワールド<3691>は、「ネットからリアルへ。」というミッションを掲げ、「Gendama」「REALWORLD」「CROWD」の自社運営サイトを通じて個人の豊かな暮らしを実現する事業を展開する。ネットショッピングなどでポイントを貯めるクラウドメディアサービスと時間や場所に関係なく自分のペースで働くことのできるクラウドソーシングサービス※が主力事業。2005年7月に菊池誠晃(きくちまさあき)氏により設立された。2015年9月末の総会員数は917万人、アクティブ・ユニーク・ユーザー数は68万人。2014年9月にクラウドソーシングの社会的信用度の向上と資金調達を目的として東証マザーズ市場に株式を上場した。

※群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語。不特定多数の人に業務を委託するという比較的新しい事業形態のインターネットサービスの1つ。一般には、小規模または個人事業者等と希望する顧客を結び付けるビジネスマッチング型サービスと、受託業務を細分化した多くの人が業務を行うマイクロタスク型サービスに区分される。

11月12日に発表された2015年9月期連結業績は、売上高が前期比34.2%増の3,711百万円、営業利益は同26.1%減の145百万円となった。大幅増収となったのは、クラウドソーシングサービスが拡大したことが主要因。にもかかわらず、営業減益となったのはクラウド事業で積極的な投資を行ったことに伴うコスト増がマイナス要因として働いたことによる。一方、会社予想(売上高4,000百万円、営業利益300百万円)を9月18日に下方修正したが、クラウドソーシングサービス拡大のためのシステム構築が当初予定より複雑化したために、同事業の立ち上がりが遅れたことが主要因。

2016年9月期会社予想は、売上高が前期比13.2%増の4,200百万円、営業利益が同37.4%増の200百万円と、2ケタ増収・営業増益を見込む内容となっている。弊社では、前期の業績の下振れ要因のひとつとなったシステム投資が膨らむ可能性が低いこと、2015年9月期に実施した提携戦略の効果が本格的に顕在化することや8月に投入した「CROWDビジネスパック」による売上拡大が期待されることなどを考慮すると、2016年9月期業績は保守的な会社予想を上回る可能性が高いとみている。

同社は中期経営計画を公表していないため、コミットした目標数値はないが、クラウドメディアサービスとクラウドソーシングサービスの一層の融合を図ることで中長期的な成長を図ることを戦略として掲げている。当面の目標として総会員数1,000万人の獲得を掲げているが、中期的には売上高100億円の達成、営業利益率10%の確保が菊池社長の目標となっていると弊社ではみる。このため、注力しているクラウドソーシング事業の今後の動向に注目している。

■Check Point
・2015年9月末の総会員数は917万人(2014年9月末880万人)へ拡大、1,000万人の確保を目標
・注力分野のスマートフォン分野は前期比142%、クラウドソーシング事業は同492%と高い伸びを記録
・2016年9月期業績は売上高4,200百万円、営業利益200百万円と2ケタ増収・増益を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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