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【特集】泉州電業 Research Memo(1):デリバリー体制に強み、自社開発のオリジナル商品で差別化


泉州電業<9824>は独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約2万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図る。

2015年10月期の連結業績は、売上高で前期比0.3%増の76,132百万円、営業利益で同5.6%減の2,345百万円、経常利益で同3.4%減の2,740百万円、当期純利益で同5.6%減の1,570百万円となった。売上高は8月までは予想を上回るペースだったが、9月以降失速し、最終的には前期比で微増にとどまった。その結果、各利益は前期比で微減益となってしまった。

2016年10月期の通期の連結業績は、売上高で前年同期比3.4%増の78,700百万円、営業利益で同9.1%増の2,560百万円、経常利益で同5.1%増の2,880百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.7%増の1,880百万円を見込む。比較的利益率の高い機器用・通信用電線が前期からずれ込んでいるので、この目標達成は十分可能だろう。同社では付加価値の高いオリジナル商品の開発強化及び、現在売上高の4%程度にとどまっている海外向け売上高比率を中期的に30%まで引き上げることで、業績の更なる拡大を目指している。

同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE6%を目指す」と述べている。その第1歩として2015年10月期の期末配当を18円に増配し、年間配当を36円(2014年10月期34円)としたのに続き、2016年10月期の年間予想配当も36円としている。さらに上限27万株の自社株買いも発表しており、資本効率の向上に向けた同社の姿勢は大いに評価されるべきだろう。

※本レポートは2015年12月11日の取材に基づき作成。

■Check Point
・商品ラインナップでメーカー系列他社にはない強み
・利益率の高い機器用・通信電線の動向によっては上方修正も
・成長が見込まれるASEAN地域の需要取り込みへ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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